日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナビヤ・ニヤーヤ」の意味・わかりやすい解説
ナビヤ・ニヤーヤ
なびやにやーや
Navya-nyāya
新論理学の意。インドのバラモン正統教学の一つとしての論理・論証の学は、1~4世紀ころにかけて編纂(へんさん)された『ニヤーヤ・スートラ』を根本経典とするニヤーヤ学派によっておもに研究された。しかし、仏教、ミーマーンサー学派の論理学との論争を経過するうちに、術語の定義の厳密化を図る傾向が顕著になった。14世紀ごろにガンゲーシャという学匠が、『ニヤーヤ・スートラ』以来の伝統的記述方法を改め、正しい知識を獲得するための四つの手段を中心に諸問題を論ずる『タットバ・チンターマニ』を著した。以来、ニヤーヤ派の学匠たちは、『ニヤーヤ・スートラ』ではなく、この書の研究に専心し、ガンゲーシャよりも前の学匠たちを古ニヤーヤ派、自らを新ニヤーヤ派、つまりナビヤ・ニヤーヤ派とよんだ。16世紀ごろにラグナータ・シローマニが、いくつかの点において改革を施し、ナビヤ・ニヤーヤ派の主流を形成した。
[宮元啓一]