ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(読み)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリンサン

化学辞典 第2版 の解説

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリンサン
nicotinamide adenine dinucleotide phosphate

C21H28N7O17P3(743.41).略称NADP.古くはTPN(トリホスホピリジンヌクレオチド),補酵素Ⅱともよばれた.構造は,NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)のアデノシンのC-2′位に,さらに1分子のリン酸エステル結合をしたもので,NADと同様に各種酸化還元酵素補酵素として水素受容体となる.たとえば,グルコース6-リン酸脱水素酵素は次の反応を触媒する.

  グルコース6-リン酸 + NADP

6-ホスホグルコン酸 + NADPH + H  

pK1 3.9,pK2 6.1,λmax 260 nm(ε 18×106),λmax 340 nm(ε 6.2×106,還元型).[CAS 53-59-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 の解説

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸


 NADP,NADPと略し,還元型をNADPHと記す.トリホスホピリジンヌクレオチド (TPN) は旧称.NADと同様,生体酸化還元反応を触媒する酵素の補酵素として多く酵素反応に関与する物質.ナイアシンを原料に生体で合成される.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
にこちんあみどあでにんじぬくれおちどりんさん

NADP

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の言及

【NAD】より

…ピリジン環への水素の付加は立体特異的に行われる。NADにさらにリン酸1分子がエステル結合したNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)もNADと同様に生体内の酸化還元反応の補酵素として関与し,補酵素IIと呼ばれる。NADとNADPは260nmに極大吸収を有するが,還元型(略号NADH)はさらに340nmに極大吸収を有するので,この波長における吸光度変化を指標として,酸化還元反応を測定できる。…

※「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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