ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒシャーム」の意味・わかりやすい解説
ヒシャーム
Hishām ibn `Abd al-Malik
[没]743.2.6. ダマスカス
西アジア,ウマイヤ朝第 10代のカリフ (在位 724~743) 。父は第5代カリフ,アブドゥル・マリク。彼の時代にアラブ・イスラム軍は,中央アジアでトルコ族の攻撃を撃破し,小アジアに進出し,スペインを占領してフランスまで進出し,北アフリカでベルベル人の反乱を押え,ウマイヤ朝期を通じて最大の版図を確保した。内政面では,対立抗争を繰返すアラブ戦士を押え,租税収入をより効果的に確保するために官僚制度を整えた。彼のつくった官僚制度が後世イスラム国家の高度に発達した官僚制度の原型となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報