ニールソン(読み)にーるそん(その他表記)James Beaumont Neilson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニールソン」の意味・わかりやすい解説

ニールソン
にーるそん
James Beaumont Neilson
(1792―1865)

イギリスの製鉄発明家。グラスゴーのガス技師であったとき、製鉄業者からの依頼で高炉改良に着手した。それまでの高炉が夏季より冬季のほうが成績がよいのは、空気が冷たいためと信じられていた。ニールソンはこれを夏と冬の湿度の差によるもので、湿度が同じなら送風高温のほうが効率がよいと考え、送風を予熱して燃焼効果を高めることを着想した。高炉業者は従来の常識と反対の提案に採用をためらったが、送風温度の上昇とともにコークス消費量が低下し、生産速度も増すことが実証され、1828年には特許を取得し、急速に広まった。ニールソンは予熱を高温の炉内の管に空気を通すことによって行ったが、のちにれんがの格子積み熱風炉にかわり、現代溶鉱炉操業の基礎となった。

中沢護人

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改訂新版 世界大百科事典 「ニールソン」の意味・わかりやすい解説

ニールソン
James Beaumont Neilson
生没年:1792-1865

イギリスの冶金技術者。グラスゴーの生れ。銑鉄生産における高炉技術の改良に成功し,19世紀初期の製鉄技術の発達に大きく貢献した。若いころから発明の才に恵まれ,ガス工場でいくつかの技術的改良で名をあげたのち,1824年以来依頼を受けて製鉄法の改良にとりくみ,28年高炉に送風する空気を加熱する方法を考え特許を取得した。これは〈熱風炉〉を備えて炉内の熱効率を上げて操業できるようにするものであり,この方法によって銑鉄1t生産するときにコークスを2~2.5t節約できるようになった。この方法は瞬く間にスコットランド全域に広がった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニールソン」の意味・わかりやすい解説

ニールソン
Neilson, James Beaumont

[生]1792.6.22. ラナーク,シェトルストン
[没]1865.1.18. カークーブリ,クイーンズヒル
イギリスの技術者。グラスゴー近郊の貧しい機械工の家に生れた。 1817年ガス製造所に入所し,新しい技術を学ぶ。 24年溶鉱炉に送る燃焼用空気を加熱しておくほうが,消費燃料あたりの鉄製錬量が飛躍的に上がること,およびコークスの代りに低質石炭を燃料として用いうることを発見,製鉄用熱風炉を研究開発し,28年その特許を取った。それによって今日の溶鉱炉操業の基礎をつくり,イギリス製鉄業に貢献した。

ニールソン

「テリー一家」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「ニールソン」の意味・わかりやすい解説

ニールソン

英国の技術者。ガス工場で働いたのち製鉄法の改良を研究し,高炉への送風の事前加熱が有利なことを発見,1828年熱風炉の特許を得た。

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367日誕生日大事典 「ニールソン」の解説

ニールソン

生年月日:1792年6月22日
イギリスの技術者
1865年没

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世界大百科事典(旧版)内のニールソンの言及

【鉄】より

…つまり高温・高塩基操業が必要であった。これはJ.ワットの蒸気機関とシリンダー送風機によって可能となり,19世紀に入ってニールソンJ.B.Neilson(1792‐1865)の高炉における熱風使用によっていっそう容易となり,さらに19世紀後半期にリュールマンF.W.Lührmann(1834‐1918)の鉱滓羽口によって完成される。ともあれコークス高炉で製造された銑鉄の錬鉄製造への適用の道は,長い時間をかけて一歩一歩改善されていくのである。…

※「ニールソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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