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ネオファシズム neo-fascism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ネオファシズム
neo-fascism

第2次世界大戦でファシズム体制は崩壊したが,戦後再びファシズムの理念を掲げてドイツやイタリアで生じてきた運動のこと。イタリアではイタリア社会運動 MSIが移民労働者問題などを背景に支持を拡大しているし,統一後のドイツでも,国家民主党 NPDを中心にして,とりわけ旧東ドイツ地域のポーランド人,ベトナム人,黒人に対するネオ・ナチ的行動が頻発している。また近年,これらの国々だけでなく世界的にこうした団体の活動が活発化しており,特に 1984年6月のヨーロッパ議会選挙ではジャン・マリー・ルペンを党首とするフランスの極右政党,国民戦線 FNが,外国人移民労働者排斥,人工中絶反対,ヨーロッパ中心主義などを掲げ,約 11%もの得票率を得て注目を集めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネオファシズム
ねおふぁしずむ
neo-fascism

第一次世界大戦後、イタリア、ドイツ、日本などで現れた急進的ナショナリズム体制を古典的ファシズムとよぶのに対し、第二次大戦後のファシズム傾向をネオファシズムという。すなわち、第二次大戦における日独伊枢軸国の敗北がファシズムの終焉(しゅうえん)を意味するものではなかった。1950年代のアメリカにおけるマッカーシズム、60年代に入ってのドイツ国家民主党(NPD)、イタリア社会運動などの台頭が顕著なネオファシズムの動きである。こうした際だった事例とは別に、経済操作とイデオロギー操作を通じてファシズム的体制が形成される条件が現代社会には整っており、多くの国で現実化しているという指摘もある。経済理論の発展は恐慌の危険を回避させ、マス・メディアの発達は操作的情報の大量伝達と大衆の関心を娯楽などへそらせることを可能にした。このように、大衆にそれとは気づかせずに独裁体制を形成する危険が現代には存在する。[大谷博愛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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