日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ノルトライン・ウェストファーレン
のるとらいんうぇすとふぁーれん
Nordrhein-Westfalen
ドイツ北西部の州。面積3万4081平方キロメートル、人口1800万9900(2000)。1946年にイギリス占領軍の条例で旧ドイツ帝国のライン州北部とウェストファーレン州が合併して形成され、翌年にデトモルト州が加わった。旧西ドイツの首都であったボンを擁し、人口がドイツの州のうちでもっとも多く、商工業はもっともよく発達し、実質的なドイツの中心地域である。農業生産物ではミュンスター地方の黒パンとソーセージ、黄土沃野(よくや)の小麦とテンサイ、ケルン湾状低地の野菜・果物が目だつ。鉱工業では、ルール地方における石炭、鉄鋼とその加工、ケルン湾状低地の機械、化学、ライン川右岸中位山地中の鉄加工、これらの北縁に点在する繊維工業などが顕著で、一括してライン・ウェストファーレン工業地帯とよばれる。交通においてはドイツ国内の結節点であるとともに、水運のライン川、それに沿う鉄道、アウトバーンは、EU(ヨーロッパ連合)の交通軸でもある。民間企業の本社機能は州都デュッセルドルフ、銀行業はケルンが中心で、デュースブルクはEUの穀価決定の基準点となっている。
[齋藤光格]