ハチジョウアカムツ(読み)はちじょうあかむつ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハチジョウアカムツ
はちじょうあかむつ / 八丈赤
ruby snapper
[学]Etelis carbunculus

硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。神奈川県三崎(みさき)近海、八丈島、奄美(あまみ)大島以南の南西諸島、東シナ海、小笠原(おがさわら)諸島、台湾、南大東島など太平洋からインド洋海域に分布する。体は細長い紡錘形。尾柄(びへい)部は太くて長い。目は大きく、吻(ふん)長に等しい。両眼間隔域は平坦(へいたん)。上顎(じょうがく)の後端は目の中央下に達する。主上顎骨に鱗(うろこ)があるが、隆起がない。両顎に円錐歯(えんすいし)があり、そのうちの1~数本は大きく、犬歯状。鋤骨(じょこつ)(頭蓋(とうがい)床の最前端にある骨)と口蓋骨に歯がある。鰓弓(さいきゅう)上枝の鰓耙(さいは)は3~4本。背びれ棘(きょく)部と軟条部の間が深く切れ込む。背びれと臀(しり)びれの鰭膜(きまく)は鱗をかぶらず、両ひれの最後軟条は伸長する。胸びれはいくぶん長く、頭長よりわずかに短い。尾びれは深く二叉(にさ)し、上下両葉は短く、体長の25~30%ほどである。体長は最大で80センチメートルほどになるが、普通は約50センチメートル。体は背側面では桃色を帯びた赤色、腹側面では桃白色。各ひれは赤く、尾びれの下葉の先端部と背びれ軟条部の先端は白い。200メートル以深の岩礁域に生息し、おもに魚類、イカ類、甲殻類などを食べる。深海延縄(はえなわ)、深海一本釣りなどで漁獲される。バヌアツ島では周年産卵するが、11月が盛期である。肉は淡紅色を帯びた白色で美味。刺身、吸い物、塩焼き、煮物などにして賞味される。同属のハマダイおよびオオクチハマダイE. radiosusに似るが、本種は尾びれ下葉の先端が白いこと、尾びれの両葉が長く伸長しないこと、鰓弓上枝に3~4本の鰓耙をもつことなどで異なる。バケアカムツにも似るが、本種には主上顎骨に鱗があること、臀びれ条数は8本であることなどで区別できる。[尼岡邦夫]

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世界大百科事典内のハチジョウアカムツの言及

【ハマダイ(浜鯛)】より

…沖縄や鹿児島では東京などのマダイのように賞味する。近似種にハチジョウアカムツE.marshiがある。ハマダイと似ているが,尾びれの下葉先端が白いので区別される。…

※「ハチジョウアカムツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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