ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 ハートリー=フォック近似ハートリー=フォックきんじHartree-Fock approximation 多電子 (一般にフェルミオン ) 系に対して,パウリの原理を満足するようにハートリー近似を精密化したもの。ハートリー近似では,全系の波動関数を一体波動関数の積とするだけであるが,ハートリー=フォック近似では,任意の2電子の座標の交換に対して反対称になるようにスレーター行列式を用いる。原子の殻模型は,1個の電子への他の電子の影響を平均化し,ハートリー=フォック近似を適用してエネルギー期待値が最小になるように選ぶ模型である。原子核の殻模型にも適用できる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
法則の辞典 の解説 ハートリー‐フォック近似【Hartree-Fock approximation】 多電子系の波動関数を,規格直交系のスピン軌道の反対称化された積で近似する方法.波動関数をこのように近似すると,ハミルトニアンの期待値を極値とするようなスピン軌道の組{ψi}は次のような方程式(ハートリー‐フォックの方程式)の解となる. Fψi(1)=εiψi(1) ここで演算子 F は任意のスピン軌道 f(ξ)に対して次のように定義されるもので,ハートリー‐フォックの演算子と呼ばれる. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報 Sponserd by