食の医学館 「パインアップル」の解説
パインアップル
《栄養と働き&調理のポイント》
パインアップルはブラジル原産で、コロンブスの西インド諸島探検の折に発見され、世界に広まったといわれます。名前の由来は松かさ(パイン)に似た形と、リンゴ(アップル)のような味からです。
○栄養成分としての働き
パインアップルには糖質をエネルギーにかえるビタミンB1が比較的多く、
老廃物を体内に残さないようにするクエン酸も含むので、疲労回復に効果があります。食物繊維が豊富で、便秘(べんぴ)解消にも役立ちます。
パインアップルの特徴は、たんぱく質分解酵素プロメリンを含有する点です。プロメリンは消化を助ける作用があり、ガス発生などの改善に効果があります。プロメリンは60度以上の熱で失われてしまうので、缶詰にはこの効果はありません。
また、パインアップルには、免疫力を強化するTNF(「バナナ」参照)という生理活性物質を増加させる働きが強いこともわかっており、感染症に効果が期待されます。
パインアップルの果汁は底の部分にかたよっているので、葉のほうを下にして一晩おくと甘みが均一になります。ゼリーにする場合は、一度ゆでてプロメリンを破壊しないと、ゼリーがかたまりません。
○漢方的な働き
発熱や暑気あたりで口がかわくとき、消化不良、腎炎(じんえん)、気管支炎に効果があるといわれています。