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パトリオットPAC-3防空システム ぱとりおっとPAC3ぼうくうしすてむ/ぱとりおっとぱっく3ぼうくうしすてむ/ぱとりおっとぱっくすりーぼうくうしすてむPatriot PAC-3 air-defense system

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知恵蔵の解説

パトリオットPAC-3防空システム

米陸軍の(対航空機用)地対空ミサイルとして開発されたパトリオットシステムを基に、弾道ミサイル迎撃能力を持たせた型。対航空機用のベーシック(Basic)型パトリオットに限定的な弾道ミサイル迎撃能力を与えた型がPAC-2(Patriot Advanced Capability)で、1991年の湾岸戦争イラクが発射したスカッド(アル・フセイン)弾道ミサイルの迎撃に使用された。しかし、スカッドの弾頭を無力化できなかったなど不十分な点が多かったため、弾道ミサイルの弾頭部に直接命中して、その運動エネルギーで弾頭を無力化する(KEK)方式のPAC-3が開発された。PAC-3型は巡航ミサイル迎撃能力も有し、米国と欧州で共同開発しているMEADS(中型広域防空システム)の基ともなっている。有効迎撃半径は15〜20kmで、拠点防衛用であり、また長射程弾道ミサイルの高速で落下してくる弾頭には対応できないため、中・短射程弾道ミサイルの迎撃に限られる。2002年秋から米陸軍に実戦配備され、03年のイラク戦争では、イラク軍が発射した短距離弾道ミサイル11発の迎撃に成功した。迎撃ミサイルは1発が米陸軍調達価格で388万ドル。日本は航空自衛隊の6個高射群用に85年からベーシック型の調達を開始し、順次PAC-2型への改造を行い、04年度から弾道ミサイル防衛計画の一環としてPAC-3型の導入と発射機、レーダーなどの改造に着手、07年3月末に入間の第1高射群第4高射隊で実戦配備が開始された。以後、東京周辺の4個高射隊、中部、九州の高射群順で配備が進められる。また06年7月の北朝鮮による弾道ミサイル連射を契機に、米陸軍は日米で合意されたパトリオットPAC-3の配備計画を加速させ、同年末までに沖縄の嘉手納基地に1個大隊(4個発射隊)を配備した。米国以外では日本に続いてオランダが導入を決定、前記のMEADS開発関係国以外にも、インドや台湾など多くの国が導入に関心を示すか、または導入方針を決めている。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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