パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサンロレンソ(読み)パナマのカリブかいえんがんのようさいぐん ポルトベロとサンロレンソ

世界遺産詳解 の解説

パナマのカリブかいえんがんのようさいぐん ポルトベロとサンロレンソ【パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサンロレンソ】

1980年に登録された世界遺産(文化遺産)だが、2012年に危機遺産リストに登録された。パナマ中部、コロン州のカリブ海沿岸にあり、「美しい港」という意味をもつポルトベロは、1597年以降、スペイン人が港を整備し、新大陸から本国スペインへ物産財宝などを運ぶ積み出し港として繁栄した。海賊襲撃に備えるため、湾の入り口などに、サン・クリストバル要塞をはじめ5つの堅固な要塞を次々と築いた。このほかに、一連の要塞建設の一つとして、湾から南西に60km離れたチャグレス川の河口近くに建造されたサン・ロレンソ要塞は、17世紀の建設当時の姿を今に伝えており、これらの要塞群が植民地物産の積み出し港を守った建造物として文化的な価値を有すると評価され、世界遺産に登録された。しかし城壁砲台などの資産は補強が必要で、風雨による浸食も進んでおり、世界遺産委員会は10年以上前から警告を発してきたが、十分な保護の対策が採られていないことから2012年に危機遺産リスト入りした。◇英名はFortifications on the Caribbean Side of Panama: Portobelo-San Lorenzo

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android