日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメチャマダラセセリ」の意味・わかりやすい解説
ヒメチャマダラセセリ
ひめちゃまだらせせり / 姫茶斑挵蝶
grizzled skipper
[学] Pyrgus malvae
昆虫綱鱗翅(りんし)目セセリチョウ科に属するチョウ。日本では北海道の特産種で、日高山脈アポイ岳付近に産し、国の天然記念物に指定されている。国外では朝鮮半島、中国東北部よりヨーロッパにかけてユーラシア大陸の北部に広く分布する。はねの開張20ミリメートル内外。チャマダラセセリに似るがより小形、後ろばね裏面中央の白斑(はくはん)はチャマダラセセリのように連続して白帯とならない。年1回、5月上旬より6月上旬にかけて発生し、アポイアズマギク、チングルマ、サマニユキワリなどの花の蜜(みつ)を吸う。幼虫の食草はバラ科のキジムシロ、キンロバイ。蛹(さなぎ)の状態で越冬する。
[白水 隆]