出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
食品サービス業界の一業態。ファーストフードと並んで1970年代にアメリカから導入され、外資主導に日本の食品メーカー、商社、小売商などの資本が追随する形で、日本のモータリゼーションの進展とともに、飲食業に経営革新をもたらした。当初、自動車交通に便利な都市郊外に立地が進み、家族だんらんで食事が楽しめる場をチェーン店舗網の展開を通じて提供したことから「郊外型ファミリーレストラン」とよばれた。
通産省(現、経済産業省)の飲食店業態別調査に基づく区分によると、ファミリーレストランタイプとは、客単価500円以上1500円未満、料理提供時間は3分以上、基本的にはセルフ・サービスの導入はなく、来店収容人員80人以上のものとされる。同調査では、客単価700円未満で料理提供時間3分未満のファーストフードタイプ、客単価1500円以上2000円未満のカジュアルレストランタイプなどの区分がある。
2009年(平成21)の「外食産業経営動向調査報告書」(社団法人日本フードサービス協会)によると、同協会加盟のファミリーレストラン1社当りの平均売上高は217億8400万円、客単価平均は1249円。2012年4月「外食産業市場動向調査」(同協会)によると、同協会加盟の大手外食産業事業者数209、店舗数3万1319、そのうちファミリーレストランは事業者数57、店舗数9431となっている。日本のおもなファミリーレストランには、業界最大手すかいらーく(おもなチェーンはガスト、バーミヤン、ジョナサンなど)、ロイヤルホールディングス(おもなチェーンはロイヤルホスト、カウボーイ家族など)、セブン&アイ・フードシステムズ(おもなチェーンはデニーズ、ファミールなど)、サイゼリア(おもなチェーンはサイゼリア)、ゼンショー(おもなチェーンはココス、ビッグボーイ、華屋(はなや)与兵衛など)などがある。
ファミリーレストラン業界は、フランチャイズチェーン展開による大手グループの寡占体制が顕著であった。なかでも最大手のすかいらーくグループは1999年7月に子会社の中華レストランチェーンのバーミヤンを合併し、2000年7月に、同じく子会社で和食チェーン店を展開する藍屋(あいや)を吸収合併する。これによりグループ内のガスト(洋食主体)、バーミヤン、うどんと豆腐料理を中心とした店である夢庵(ゆめあん)などで、1000店規模への全国展開を進めた。徹底したセントラル・キッチン方式に基づき、中核事業を本社が一元管理することで経営効率をあげることがその戦略目標である。1997年以降、全体的には客数の伸びない企業も目だち、各社とも販売促進のため期限付きの割引クーポン券や、利用金額に応じてポイントがつき、ポイント数によりさまざまな特典が受けられるポイントカード制を実施した。また、顧客の健康志向に訴えるため、人工着色料や添加物を全廃した企業もあるほか、有機野菜や有機米を積極的に導入したり、メニュー改定のサイクルを早めるなど、顧客心理に対応する仕掛けづくりに取り組んでいる。外国への進出、商品の通販などの動きもみられる。
[殿村晋一]
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