ファリンゲッティ(英語表記)Ferlinghetti, Lawrence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファリンゲッティ」の意味・わかりやすい解説

ファリンゲッティ
Ferlinghetti, Lawrence

[生]1919.3.24. ニューヨーク,ヨンカーズ
アメリカ合衆国の詩人,書店経営者。フルネーム Lawrence Monsanto Ferlinghetti。フランスで子供時代の大半を過ごし,第2次世界大戦中は海軍将校として従軍,その後ノースカロライナ大学で学士号,コロンビア大学で修士号,1951年にはパリ大学で博士号を取得した。同 1951年サンフランシスコに居を定め,1953年シティー・ライツ書店を開店,たちまち初期のビート・ジェネレーションの作家たちのたまり場となった。1955年自身の詩集 "Pictures of the Gone World"を書店から発行。同書店はこのほか,アレン・ギンズバーグ,ジャック・ケルアックグレゴリーコーソ,デニーズ・レバートフ,ウィリアム・S.バローズ,ウィリアム・カーロス・ウィリアムズや外国の作家の作品を出版した。ファリンゲッティ自身による詩は対話形式で書かれ,朗読向きにつくられていたため,コーヒーハウスや大学構内のホールで人気を博した。著名な詩 "Autobiography"が収録されている詩集 "A Coney Island of the Mind"(1958)は,20世紀後半に健在しているアメリカ詩人の詩集として最高の販売部数を誇った。おもな詩集に "Endless Life"(1981),"These Are My Rivers"(1995),"A Far Rockaway of the Heart"(1997)など。1998~2000年サンフランシスコの桂冠詩人に任ぜられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファリンゲッティ」の意味・わかりやすい解説

ファリンゲッティ
ふぁりんげってぃ
Lawrence Ferlinghetti
(1919―2021)

アメリカの詩人。ニューヨーク出身。1950年におこったサンフランシスコのビート詩運動の中心人物。彼の経営するシティ・ライツ社からA・ギンズバーグの詩集『吠(ほ)える』を出版して注目を浴びる。彼自身にも、巧みな話しことばのスタイルを駆使した『心のコニー・アイランド』(1958)、『サンフランシスコから出発して』(1961)などの詩集がある。ギンズバーグやケロアックの亡きあとも、ファリンゲッティは平易なスタイルで詩を書き続け、ビート世代のパトロン(後援者)として多くの読者をもっていた。

[新倉俊一]

『片桐ユズル・中山容訳『ファーリンゲティ詩集』(1968・思潮社)』

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