フェルミ粒子（読み）フェルミリュウシ

デジタル大辞泉

フェルミ‐りゅうし〔‐リフシ〕【フェルミ粒子】

素粒子のうち、半整数スピンをもつ粒子や、奇数個の核子からなる粒子。電子・陽子・中性子や、ωオメガ粒子など。フェルミオン。→ボース粒子

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

フェルミ‐りゅうし‥リフシ【フェルミ粒子】

1. 〘 名詞 〙 ( フェルミは物理学者の名 ) 素粒子のうち、半整数スピンをもつ粒子や、奇数個の核子からなる粒子。電子・陽子・中性子や、ω(オメガ)粒子など。フェルミオン。

出典　精選版 日本国語大辞典

百科事典マイペディア

フェルミ粒子【フェルミりゅうし】

フェルミオンとも。スピンが半整数の素粒子や複合粒子で，フェルミ・ディラック統計（量子統計力学）にしたがう粒子。電子，陽子，中性子等がフェルミ粒子である。素粒子はフェルミ粒子とボース粒子に二分されるが，フェルミ粒子が物質を構成し，ボース粒子がフェルミ粒子の相互作用を媒介するという役割を持っている。
→関連項目クーパー対｜超対称性

出典　株式会社平凡社

知恵蔵

フェルミ粒子

フェルミ・ディラック統計に従って、1つの状態に1個しか入れない粒子がフェルミ粒子(フェルミオン)。ボース・アインシュタイン統計に従って、1つの状態に何個でも入れるのがボース粒子(ボソン)。フェルミ粒子には電子、陽子、中性子などがあり、スピンは1/2など半整数の値をとる。ボース粒子は光子、中間子などで、スピンは0、1など整数になる。スピンが半整数の粒子も、偶数個集まりボース粒子を形づくる。

(尾関章 朝日新聞記者 ／ 2007年)

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

法則の辞典

フェルミ粒子【Fermi particle，fermion】

スピン角運動量が h/2π の半整数倍になっている粒子のこと．フェルミ‐ディラック統計＊に従う粒子で，電子や陽子，中性子，μ 粒子，質量数が奇数の原子核などがここに属する．

出典　朝倉書店

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

フェルミ粒子
フェルミりゅうし

「フェルミオン」のページをご覧ください。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内のフェルミ粒子の言及

【液体ヘリウム】より

…液体ヘリウム3(³Heの液体)も0.93mK(0気圧)で超流動状態に転移する。液体ヘリウム4と液体ヘリウム3の超流動転移温度に大きな差があるのは，⁴Heと³Heがそれぞれボース粒子(ボゾン)およびフェルミ粒子(フェルミオン)という量子力学的には非常に性質の異なる粒子の種類に属するためである。現在，液体ヘリウム4は，あらかじめ液体窒素で冷却した高圧⁴Heガスを断熱膨張させて40K以下に冷やしたのち，低圧の容器に噴出させ，その際のジュール=トムソン効果による温度の低下を利用して得ており，一方，液体ヘリウム3は，減圧によって温度を下げた液体ヘリウム4と³Heガスを熱接触させることで得られる。…

【量子統計】より

…さらに，相互作用がない多粒子系でも，量子系ではマクスウェル=ボルツマンの速度分布が破れるのである。　量子論に登場する粒子は，フェルミ粒子(フェルミオンfermion)かボース粒子(ボソンboson)かに大別される。いずれの場合も同種の粒子はまったく識別不可能で，2個の同種粒子を入れ替えても量子状態は不変だと考える。…

※「フェルミ粒子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」