化学辞典 第2版 「フタロシアニン染料」の解説
フタロシアニン染料
フタロシアニンセンリョウ
phthalocyanine dye
フタロシアニン骨格を有する染料.銅フタロシアニン(a)の顔料としての優秀性が認められて以来,これを染料に導くための研究が多数行われ,現在ではアゾ系,アントラキノン系につぐ重要性をもっている.たとえば,直接染料(スルホン化されたC.I.Direct Blue 86など),建染め染料(コバルトフタロシアニンを部分スルホン化したC.I.Vat Blue 29),硫化染料(メルカプト基-SHまたはチオシアノ基-SCNを導入したC.I.Sulphur Green 14など),カチオン染料(第四級アンモニウム基を導入したAstrazon Blue 6 GLL.),アゾイック染料(ピラゾロン環を導入したC.I.Azoic Coupling Component 108),反応染料(モノクロロトリアジニル基,トリクロロピリミジニル基,ビニルスルホニル基などの反応基を導入したC.I.Reactive Blue 3,14,15,18,21,25,38,41,C.I.Reactive Green 5など)など多数が合成されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報