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反応染料 はんのうせんりょうreactive dye

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

反応染料
はんのうせんりょう
reactive dye

染色中,繊維と化学反応して固着する染料の総称。染料分子内に反応性の活性基をもち,これが染色過程中に繊維と反応して,染料と繊維の間に共有結合をつくる。 1956年イギリスの ICI社が開発したプロシオンが発表されて以来,各種のものが開発され,日本でも多数の製品が生産,市販されている。いずれも染料色素を,発色のための共役系としてもち,これに繊維との反応基が結合している。発色共役系としては,アゾ系,アントラキノン系が多く,反応基として,プロシオン染料のように,モノクロロトリアジル基またはジクロロトリアジル基をもつか,レマゾール染料のように,染色中に活性ビニル基を生成するものが重要であるが,酸アジド基をもつものもあり,水溶性のものが多い。化学結合をする繊維側の反応基は,セルロースでは水酸基,羊毛やポリアミドでは遊離アミノ基やカルボン酸アミド基である。染色物は色相が鮮明,洗濯に耐え,日光にも強い特徴をもち,染色法が多様である。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんのうせんりょう【反応染料 reactive dye】

染料分子内に反応性の活性基をもち,染色中に繊維と化学的に反応し染料と繊維の間に共有結合を形成して染着する染料。1956年イギリスのICI社により,反応基としてジクロロトリアジニル基を用いる初めての反応染料プロシオン染料が開発,市販された。この染料の構造は,発色団をもつ水溶性の染料母体とジクロロトリアジニル基など反応性塩素をもつ原子団を結合した形である。この染料は,アルカリ性の染浴中でセルロース繊維の水酸基と反応してエーテル結合をつくり染着する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

反応染料
はんのうせんりょう
reactive dyes

繊維中の反応性基、たとえば、セルロース系では水酸基、ポリアミド系ではアミノ基、アミド基、チオール基、カルボキシ基(カルボキシル基)などと反応して、共有結合により繊維に定着できる染料。1956年のパーキン100年祭(W・H・パーキンが最初の合成染料であるモーブを発見した1856年から100年後を記念した行事)にあわせて、イギリスから新型染料として発表されて以来、多数の反応染料が開発され、現在では主要合成染料の一つとなっている。
 基本構造は、色素部分―連結基―反応基からなる。色素部分は繊維に対して比較的弱い染着力をもつ酸性染料型で、アゾ、アントラキノン構造をもつものが多い。反応基としてクロロトリアジンをもつプロシオン型Procion、ビニルスルホン基をもつレマゾール型Remazolに大別される。染着機構は、イオン化した繊維の官能基と反応基がそれぞれ置換、付加反応により連結すると理解されている。[飛田満彦]

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世界大百科事典内の反応染料の言及

【染料】より

…このようにして共役系が長くなるほど,また置換基などの影響でπ電子系の電荷のかたよりが大きくなるほど,染料の吸収スペクトルは長波長となり,観察される色は深くなる。
[化学構造と性質]
 染色性を基として染料を分類すると,直接染料,酸性染料,塩基性染料,酸性媒染染料,金属錯塩染料,硫化染料,建染染料,硫化建染染料,アゾイック染料,分散染料,反応染料,酸化染料,油溶染料および蛍光増白剤などが挙げられる。しかしながら近年の染料部属の需要は大きく変化し,ほとんど使われなくなったもの,非常に使用量が増加したものなどさまざまである。…

※「反応染料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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