フトミゾエビ(英語表記)Melicertus latisulcatus; western king prawn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フトミゾエビ」の意味・わかりやすい解説

フトミゾエビ
Melicertus latisulcatus; western king prawn

軟甲綱十脚目クルマエビ科。体長約 18cm。体は淡黄色で,淡褐色斑が散在する。その色からシンチュウエビと呼ぶこともある。額角は水平で,上縁に 9~12棘,下縁に 1棘をもつ。頭胸甲背面の 3本の縦溝のうち側溝が深く,甲の後縁付近まで達する。これが和名由来となっている。水産業上の重要種で,クルマエビと混獲されるが,やや南方系で,フィリピン近海からオーストラリア東岸,インド洋西部にかけて多い。今日では紅海スエズ運河を経て地中海東部に広まっている。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フトミゾエビ」の意味・わかりやすい解説

フトミゾエビ
ふとみぞえび / 太溝蝦
western king prawn
[学] Penaeus latisulcatus

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目クルマエビ科に属するエビ。食用エビで、体長18センチメートルに達する。一様に淡黄色であるためシンチュウエビの呼び名もある。相模(さがみ)湾から遠く東アフリカ、紅海まで広く分布し、現在ではスエズ運河を経て地中海東部に広まっている。日本ではクルマエビと混獲されるが、あまり多くない。額角(がっかく)は水平で、上縁に9~12歯、下縁に1歯ある。額角の側溝は額角後隆起と同じ幅で深い。尾節の側縁には3対の小さな棘(とげ)がある。

[武田正倫]

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