デジタル大辞泉
「支え」の意味・読み・例文・類語
つかえ〔つかへ〕【▽支え/×閊え】
1 都合の悪い事情。さしさわり。支障。
「店に―さえなくば巳之の相手多吉も入れて遣ろ」〈緑雨・門三味線〉
2 (「痞え」とも書く)
㋐病気・心配などで胸がつまるような感じ。「胸の―がおりる」
㋑癪。
「簾のうちにありて―になやめる上﨟の如し」〈逍遥・小説神髄〉
ささえ〔ささへ〕【支え】
1 ささえること。また、ささえるもの。「若木に支えをする」「心の支え」
2 「支え口」の略。
「入道が女房の―によって心がはりを致せしとて」〈浄・伊豆日記〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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つかえつかへ【支・閊・障・痞】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「つかえる(支)」の連用形の名詞化 )
- ① 先がふさがったり、じゃまな物があったりして先に進めないこと。
- [初出の実例]「飲食 ヲビタタシウタベテ、ショクドウエ ツカエニ ナリマスル」(出典:交隣須知(18C中か)三)
- ② 物事を進行させると具合の悪い事が起こるような事情。さしさわり。支障。
- [初出の実例]「マコトニ、ツカエガ アッテ、サヨフデ ゴザリマシタ」(出典:交隣須知(18C中か)四)
- 「店に閊(ツカヘ)さへなくば」(出典:門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉九)
- ③ 悲しみや悩みで胸がふさがること。胸がつまるような、精神的な苦しみ。
- [初出の実例]「此類のせんしゃう、毎日二三十度も申出して、一座の痞(ツカヘ)をおこしぬ」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)
- 「悲き事をいひ出て、痞(ツカヘ)をまさし給ひな」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
- ④ 胸にさしこみの発作が起こる病気。しゃく。
- [初出の実例]「つかへなども折々音づれ候」(出典:杉風宛芭蕉書簡‐元祿七年(1694)五月二一日)
- ⑤ ささえとなるもの。支柱。
- [初出の実例]「Adminiculor〈略〉カカユル、スケヲ カウ、カウバリ、または tçucayeuo(ツカエヲ) カウ」(出典:羅葡日辞書(1595))
- 「うしろからよきかげんに、つかへをかふていよ」(出典:天理本狂言・腰祈(室町末‐近世初))
- ⑥ 筋肉などのしこり。こり。
- [初出の実例]「肌寒く痞のかたを下になし〈千川〉」(出典:俳諧・随斎諧話(1819))
- ⑦ 取引相場で、相場の上がり下がりが一段落して変化しない状態をいう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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