フトモモ科(読み)ふとももか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フトモモ科」の意味・わかりやすい解説

フトモモ科
ふとももか
[学] Myrtaceae

双子葉植物、離弁花類。常緑高木または低木。葉は対生し、革質で鋸歯(きょし)はなく、油細胞がある。花は両性で放射相称。花床は筒となり、子房と合着する。萼片(がくへん)、花弁ともに4、5枚であるが、合着して蓋(ふた)となって落ち、中の雄しべが現れるもの(ユーカリノキ)もある。雄しべは多数。子房は下位。果実蒴果(さくか)または肉質の花床に包まれる閉果。おもに熱帯亜熱帯分布し、オーストラリア、南アメリカに多い。日本にはフトモモ属2種、ムニンフトモモ属(オオフトモモ属)1種が野生し、バンジロウ属、ユーカリ属、ネズモドキ属、カユプテ属などが栽培される。

[山崎 敬 2020年8月20日]

 APG分類でもフトモモ科とされる。日本には2属3種が自生し、そのほかバンジロウ属やテンニンカ属、ブラッシノキ属、ユーカリノキ属、ギンバイカ属などが果樹や庭木などとして植えられ、野生化しているものもある。

[編集部 2020年8月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フトモモ科」の意味・わかりやすい解説

フトモモ科
フトモモか
Myrtaceae

双子葉植物フトモモ目の1科。主として亜熱帯,熱帯に分布する高木または低木。南アメリカとオーストラリアに分布の中心がある。約 100属 3000種があり,葉は互生または対生する。花には管状に発達した萼筒をもつものが多い。おしべは多数あってしばしば束をなす。代表的なものはオーストラリア産のユーカリノキ属 Eucalyptus丁子丁子油をとるチョウジノキ属 Eugeniaがあり,また熱帯アメリカ原産のバンジロウ (蕃柘榴)や,熱帯アジア産のフトモモは,いずれも果実を食べる。

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