システム制御の一方式をいう。一般にシステム制御とは,対象とするシステムに適切な操作を加えて,対象の状態に望ましい変化を与えることをいうが,状態の変化過程がプログラムとしてあらかじめ定められている場合を総称してプログラム制御という。プログラム制御は対象の状態の定量的な変化か,あるいは定性的な変化のどちらを問題にするかにより二つのクラスに分かれる。すなわち(1)状態の定量的な変化過程が時間の関数として規定されている場合と,(2)状態があらかじめ定められた定性的な変化過程をとりつつ制御が段階的に進行する場合である。炉の温度を操作し,炉内の材料に所定の加熱冷却過程を与えたり,発電機出力を電力需要の時間的な変動予測に基づいて制御する場合などは,(1)の定量的プログラム制御の例である。これに対し(2)の場合は,対象システムの状態に不連続な(定性的な)変化を逐次つくりだしながら制御を行うもので,このような制御方式は一般にシーケンス制御とよばれている。すなわち(2)のプログラム制御はシーケンス制御の一つの実行方式であり,自動電気洗濯機や交通信号などの身近な例をはじめ,発電所や化学プラントの起動・停止過程などはこの方式の制御が用いられる。
執筆者:児玉 慎三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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