ヘルシングランド地方の装飾農場家屋群(読み)ヘルシングランドちほうのそうしょくのうじょうかおくぐん

世界遺産詳解 の解説

ヘルシングランドちほうのそうしょくのうじょうかおくぐん【ヘルシングランド地方の装飾農場家屋群】

2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。スウェーデン北東部のヘルシングランド地方は、針葉樹の豊かな森と谷の水系に恵まれ、1000以上の農家の木造建築が残っている。そうした木造建築の中でも特に高品質の木材を使って建設され、豪華な内装が施された芸術的価値の高い7つの農家が世界遺産に登録された。この地に暮らす人々は、林業によって栄えたことに加え、亜麻の栽培でも大きな財を成し、18~19世紀に豊富な木材で堅固な屋敷を建てた。こうした家屋の壁や天井には、著名な画家を含む多くの画家たちによって木々や花々などデザイン性の高い絵が描かれ、美しい織物が装飾され、祭礼用の美しい内装を施した部屋が用意された。それらには、バロック調やロココ調など、当時のこの地の名士たちに好まれた様式が取り入れられている。こうしたデザインは、中世にまでさかのぼる北欧の民俗文化の長い伝統の精華を現代に伝えている。◇英名はDecorated Farmhouses of Hälsingland

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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