フランスの作家モーパッサンの長編小説。1885年、『ジル・ブラス』紙に連載。『女の一生』に次ぐ長編第二作。ノルマンディー出身の青年ジョルジュ・デュロワは鉄道会社に勤める事務員で、月末の数日間はきまって持ち金がなくなり、食べるに事欠く状態。そのうち友人の勧めで新聞記者になると、持ち前の美貌(びぼう)(ベラミとは、「美男のおじさん」の意で彼のあだ名)と、厚かましさを武器に、友人やその夫人たちを利用して社交界に乗り出し、ついには大実業家の娘と結婚する。やがて舅(しゅうと)の経営する新聞社の実権を握って、パリの新聞界に君臨するようになる。名前もいつのまにかデュ・ロワと貴族風の綴(つづ)りに変えている。作者はこの物語を通して、フランス19世紀社会の世相、とくにある種のジャーナリズムを、また政府の植民地政策とひそかに通じあった金融界の一部を辛辣(しんらつ)に皮肉っている。
[宮原 信]
『杉捷夫訳『ベラミ』(岩波文庫)』
桜が咲くころの、一時的な冷え込み。《季 春》「―や剝落しるき襖ふすまの絵/秋桜子」[類語]余寒・春寒・梅雨寒・寒い・肌寒い・薄ら寒い・寒寒・深深・凜凜・冷え込む・うそ寒い・寒さ・寒気・寒波・厳寒・酷寒...