翻訳|petticoat
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
(1)スカートの裾(すそ)さばきをよくし、着こなしを美しくするための婦人用下着。スカートの丈よりやや短く、裾にフリルやレース飾りのついたものが多い。素材は木綿、絹、合繊などで、キャミソールやブラジャーなどと組み合わせて用いられる。
もともと婦人服が15世紀末期に上・下体に分離した結果、その下体(スカート)に対してつけられた名称だったが、19世紀以後、下着用スカートをさす語となった。ペチコートには普通キャンブリックやフラノが用いられることが多かったが、時代によっては、硬く張りのある布や鯨骨入り、あるいはシルクサテンなど重い素材のものを何枚も重ねることで、スカートの膨らみを際だたせた。18世紀の鯨骨入りパニエ、19世紀中期の馬毛(クランcrin)入りの釣鐘状ペチコートなどがそれである。19世紀末期には、精巧なレースで装飾された美しいペチコートが着用された。20世紀になり、スカートが短く、狭くなるにつれて、シンプルなストレート型のペチコートが中心となったが、1947年ディオールのニュー・ルック、1982年の流行のスタイルのように、フル・シルエットのペチコートが注目されるときもある。
(2)小さなコートとして15、6世紀のヨーロッパで、ダブレット(男子服上衣の一種)の下に着用した保温用の短い上衣をさす。また、ペチコート・ブリーチ(ラングラーブ)は、17世紀に男性が着用したスカート状のズボンのことである。
[深井晃子]
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