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ペンテウス Pentheus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペンテウス
Pentheus

ギリシア神話の人物。カドモスの娘アガウェが,スパルトイの一人エキオンと結婚して生んだ子で,老齢のカドモスから譲位され,2代目のテーベ王になったが,ディオニュソスの信仰がテーベに広がるのを妨げようとして,従兄弟にあたるこの神を怒らせ,神罰によってキタイロンの山中で彼を野獣と見誤ったバッコス信女らによって八つ裂きにされて死んだ。このとき,彼の母や伯母たちが,信女たちの先頭に立って彼を害したという。

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大辞林 第三版の解説

ペンテウス【Pentheus】

ギリシャ神話のテーベ王。カドモスの娘アガウエの子。ディオニュソス崇拝に反対し、それを禁じたため、母アガウエらの錯乱した女性信者たちによって野獣と錯覚され八つ裂きにされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ペンテウス
ぺんてうす
Pentheus

ギリシア神話でテバイ(テーベ)の王。テバイ建国の祖であるカドモスの娘アガウエの子で、ディオニソス神の従兄弟(いとこ)にあたる。アガウエの姉妹セメレがゼウスの愛を受けて生んだ子ディオニソスは、新宗教を始めて各地で信者を集めたのち、テバイへ戻ってくる。ところがアガウエたちは、ディオニソスは実はセメレの私生児にすぎないとののしり、一方ペンテウスもディオニソス宗教をいんちきな宗教として弾圧する。そこでディオニソスは、母を侮辱したアガウエらをまず山で踊り狂わせ、次にペンテウスを同じ山におびき出して、アガウエらにペンテウスを獅子(しし)と錯覚させて彼を八つ裂きにさせる。この物語は、エウリピデスの『バッコスの信女たち』に劇的に描かれている。[中務哲郎]

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世界大百科事典内のペンテウスの言及

【オージー】より

… しかしそれは単なるばか騒ぎではなく,こうした行為は,人間の秩序,理性と対置させられ,しかもそれを打ち破っている点が重要である。たとえばエウリピデスの悲劇《バッコスの信女》においては,テーバイの若き君主ペンテウスが,人間の秩序や理性を象徴するものとして描かれ,ディオニュソスと相対する。しかし彼のもつ秩序や理性は,神をおそれぬ思い上がった人間の取るに足らぬ秩序や理性であり,彼は力ずくでディオニュソスを獄につなごうとするものの,簡単に打ち破られ,ディオニュソス信者のオージーのなかで身を八つ裂きにされてしまう。…

【ディオニュソス】より

…途中,トラキアでエドネス族の王リュクルゴスに迫害されたのを皮切りに,ギリシアの各地で妨害を受けたが,それらはいずれも彼の神威の前には空しい抵抗にすぎなかった。エウリピデスの悲劇《バッコスの信女》(前405上演)は,彼が従兄ペンテウスPentheusの治めるテーバイに来たときのできごとを描いたもので,それによれば,王の母アガウエAgauēをも含むテーバイの女たちが狂乱の信者の仲間に加わって,松明やテュルソスthyrsos(蔦(つた)を巻き,先端に松笠をつけた杖)を振りまわしつつ山野を乱舞し,陶酔の極に達するや,野獣を引き裂いてくらうなどの狂態を示すに及んだとき,彼の神性を認めようとしないペンテウスは,これを阻止せんとして,かえって母親たちにキタイロンの山中で八つ裂きにされたという。このようにしてみずからの神性を世界中に認めさせたあと,彼は冥府から母セメレを連れ戻して彼女とともに天に昇り,オリュンポスの神々の仲間入りをしたとされる。…

※「ペンテウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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