ホウライシダ(英語表記)Adiantum capillus-veneris; maidenhair fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウライシダ」の意味・わかりやすい解説

ホウライシダ
Adiantum capillus-veneris; maidenhair fern

ワラビ科のシダ植物で,広く全世界の熱帯および暖帯に分布する。日本では本州南部に自生する。横に走る根茎から葉を伸ばす。葉は長さ 30~40cmで,葉身は2~3回羽状に分裂し,小羽片はイチョウに似た形で細かく,葉柄や葉軸はつやのある黒褐色。みるからにやさしく涼しげな感じがするので,観葉植物とされる。学名英名ビーナス毛髪という意味である。アジアンタムという園芸名で知られるが特にホウライシダをさすものではなく,クジャクシダ属の仲間の総称名として用いている。同属のブラジル原産の A. cuneatum,日本産の A. monochlamys (ハコネシダ) など多くの種類が園芸品として栽培される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホウライシダ」の意味・わかりやすい解説

ホウライシダ
ほうらいしだ / 蓬莱羊歯
[学] Adiantum capillus-veneris L.

イノモトソウ科の常緑性シダ。葉は薄く、2回羽状複葉。葉柄はつやのある黒褐色で、小葉扇形で不規則に切れ込む。辺縁内側へ折れて、胞子嚢(のう)をつける。温室でよくみられる観葉植物である。

[西田治文]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のホウライシダの言及

【アジアンタム】より

…約200種からなるホウライシダ科クジャクシダ属の多年生シダ植物であり,これらを花卉(かき)園芸ではアジアンタムと呼んでいる。日本にはホウライシダA.capillusveneris L.やクジャクシダA.pedatum L.など7種を産する。…

※「ホウライシダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android