改訂新版 世界大百科事典 「ホフマン物語」の意味・わかりやすい解説
ホフマン物語 (ホフマンものがたり)
Les contes d'Hoffmann
フランスの作曲家J.オッフェンバックが作曲したプロローグとエピローグをもつ3幕のオペラ。J.バルビエとM.カレーの台本により,ドイツ・ロマン派の作家で作曲家のE.T.A.ホフマンの小説のいくつかから自由に題材をとって作られている。主人公のホフマンを中心に三つの恋の物語を展開するという筋で,ニュルンベルクのとある酒場を舞台に繰り広げられる。この作品は作曲者の死により未完に終わったが,ギローErnest Guiraud(1837-92)の補筆により完成され,1881年2月10日,パリのオペラ・コミック劇場で初演された。劇中音楽には名曲が少なくなく,とくに《舟歌Barcarolle》は単独で歌われることも多い。
執筆者:西原 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報