ホレズ修道院(読み)ホレズシュウドウイン

デジタル大辞泉 「ホレズ修道院」の意味・読み・例文・類語

ホレズ‐しゅうどういん〔‐シウダウヰン〕【ホレズ修道院】

Mănăstirea Horezuルーマニア中南部、オルテニア地方の町ホレズにあるルーマニア正教会修道院。17世紀末、領主だったワラキア公コンスタンティン=ブルンコベアヌにより創設。公の名を冠するブルンコベネスク様式と呼ばれるルーマニア独自の建築様式で知られ、ギリシャ十字型の主聖堂に四つの聖堂を配する。1993年に世界遺産文化遺産)に登録された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界遺産詳解 「ホレズ修道院」の解説

ホレズしゅうどういん【ホレズ修道院】

1993年に登録されたルーマニアの世界遺産(文化遺産)で、ヴルチェア県にあるルーマニア正教会の修道院。1690年に、ワラキア公国の君主ブルンコヴェアヌ公によって創建された。ブルンコヴェアヌ公も自らの住居として使用した。主聖堂のカトリコンを中央にして、5つの聖堂が東西南北ギリシア十字をかたどって配置され、創建者の名にちなんで「ブルンコヴェアヌ様式」と呼ばれている。美しい白い石造りの各聖堂には、ルーマニアの伝統とバロック様式が融合した独創的なデザインが施されている。この様式は、質素でありながら気品があり、優美さを感じさせるところが特徴である。5つの聖堂は、今もほぼ当時のままの姿をとどめている。このような歴史的文化が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はMonastery of Horezu

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

百科事典マイペディア 「ホレズ修道院」の意味・わかりやすい解説

ホレズ修道院【ホレズしゅうどういん】

ルーマニアのオルテニア地方ヴルチャ県にある修道院。ワラキア公国の当時の領主コンスタンティン・ブランコヴェアヌにより1691年から建設開始(1697年完成)。美しい白い石造りで,ルーマニア中世の独特な様式は,自らも居住として使用したことからブランコヴェネスク様式と呼ばれている。その後,ホレズ修道院を中心として絵,彫刻陶器などの芸術活動が発達し,近くにはルーマニア陶器の生産地として有名なホレズがある。1993年世界文化遺産に登録。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android