ポッゲンドルフ(読み)ぽっげんどるふ(その他表記)Johann Christian Poggendorff

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポッゲンドルフ」の意味・わかりやすい解説

ポッゲンドルフ
ぽっげんどるふ
Johann Christian Poggendorff
(1796―1877)

ドイツ物理学者ハンブルク生まれ。ハンブルク近郊の寄宿学校を卒業。1820年ベルリンに出、化学物理学を学び、気象観測員を経て、1834年ベルリン大学員外教授、1839年プロシア科学アカデミー会員。1820年シュワイガー独立電流計発明以後、電流に関する物理化学的現象を研究、1839年銀ボルタメーター、1841年すべり抵抗器などを発明した。また1824年以降、ドイツ近代物理・化学史上もっとも著名な雑誌『Annalen der Physik und Chemie』(1790年創刊)の編集者を務め、さらに1857~1863年には本格的な科学者人名事典『Biographyisch-Literalische Handworterbuch zur Geschichte der exakten Wissenschaften』(全2巻)を刊行した。

[宮下晋吉]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポッゲンドルフ」の意味・わかりやすい解説

ポッゲンドルフ
Poggendorff, Johann Christian

[生]1796.12.29. ハンブルク
[没]1877.1.24. ベルリン
ドイツの物理学者,科学史家。資産家の家に生れたが,父の代で没落。 15歳で薬剤師の徒弟となる。ベルリンに出て科学を勉強し,実験研究を始める (1820) 。検流器の発明,改良などの業績が認められ,ベルリン科学アカデミー気象観測係に採用される (23) 。ベルリン大学講座外教授 (34) 。プロシア科学アカデミー会員 (39) 。電流現象の実験的研究にすぐれ,銀電量計,すべり抵抗器の発明などが知られているが,とりわけ彼の名を著名にしたのは 1824年以来半世紀にわたる『物理学・化学年報』 Annalen der Physik und Chemieの編集者として科学界に大きな影響を与えたことである。主著『精密科学史の伝記・文献集成』 Biographisch-Literarische Handwörterbuch zur Geschichte der exakten Wissenschaften (63) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「ポッゲンドルフ」の意味・わかりやすい解説

ポッゲンドルフ
Johann Christian Poggendorff
生没年:1796-1877

ドイツの物理学者,科学史家。ハンブルクの薬種屋の徒弟として働いていたが,F.F.ルンゲなどのすすめに従いベルリンに出て科学を学ぶ。1820年ころまでに,J.S.シュワイガーとは独立に電磁倍率器を発明,26年には反照検流計をつくった。34年ベルリン大学教授。この間1824年《物理・化学年報》(通称《ポッゲンドルフ年報》)の創刊に携わり,以降約半世紀以上にわたって同誌を編集,57年からは《科学者辞典》の編集に全力を傾けた。
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百科事典マイペディア 「ポッゲンドルフ」の意味・わかりやすい解説

ポッゲンドルフ

ドイツの物理学者。科学史家。1834年ベルリン大学教授。電磁気を研究。1824年から《ポッゲンドルフ物理・化学年報》を創刊編集,1857年から《科学者辞典》を編集。

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