ドイツ・ロマン派の画家。北ドイツのウォルガスト生れ。コペンハーゲンのアカデミーに学んだのち,1801年よりドレスデン,ハンブルクに住みティークをはじめ多くのロマン主義文学者,思想家と交際,ベーメの神秘思想にも触れる。ゲーテの主催する公募展落選を機に歴史画の時代は終わったと痛感,新時代の芸術として人間の主観を投影した新しい風景画を構想。03年その試みとして版画連作《四つの時(朝夕昼夜)》を発表,幾何学的・装飾的構図と植物や子どもの姿に託した複雑な個人的象徴体系を用い,自然の運行にキリスト教的意味での世界の歴史を重ねて表現して注目されるが,神秘主義,美術の限界とも評される。その油彩化に当たり色彩の重要性を認識,観察と象徴的意味づけの両面から色彩論にも取り組む。油彩化計画は未完に終わったが,最晩年の《朝》は具体性と力強さを増し,色彩表現の頂点に立つ絶唱となる。肖像画にも優れ,とくに幼児のそれは感傷を排し原初的生命力と厳しさに満ちた新しい把握を示す。
執筆者:大原 まゆみ
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ドイツの有機化学者。ハンブルクの近郊で生まれる。ベルリン大学で医学を学んだのち、ゲッティンゲン大学で化学を学び、1819年イエナ大学で学位を得た。1823年にブレスラウ大学教授になったが、まもなく辞任して1832年からオラニエンブルクの化学工場で研究を続けた。アトロピンの研究、カフェインおよびキニンの発見、コールタールの蒸留によるフェノール、アニリン系染料の発明などがあり、コールタール染料工業の先駆者として知られる。ペーパークロマトグラフィーの発明者の一人でもある。
[廣田 穰 2016年11月18日]
ドイツの工業化学者。ブレスラウ大学で化学を専攻し、ついでハイデルベルクでブンゼンとキルヒホッフに学ぶ。1860年から工業界に入り、1875年にチューリヒのスイス連邦工業大学の工業化学の教授に迎えられ、ついでスイスの市民権を得た。無機化学工業に科学的な研究と管理を導入し、その成果を技術の経済的な課題へと適用したため、その膨大な著作は工業界からたいへんに歓迎され、彼のハンドブックは何十年にもわたって化学工業の標準的なテキストとなった。
[加藤邦興]
ドイツの画家。ポンメルンのウォルガストに生まれる。1799~1801年コペンハーゲン、01~03年ドレスデンの各美術学校で学ぶ。ドレスデンで詩人ティークを知りロマン主義に開眼、また哲学者ベーメの著作によって神秘的な自然観を啓発される。02~03年宇宙の生成発展を象徴する『朝、昼、夕、夜』四部作の構想によってアカデミックな古典主義を離れる。03年末以降ハンブルクに定住し、力強い写実と素朴な内面性を結び付けた肖像画の制作を行う。『芸術家の両親』(1806・ハンブルク美術館)はその代表作。08年『朝』(同上)を制作し四部作の完成に着手するが、第二作の制作なかばでハンブルクに夭折(ようせつ)した。彼は色彩論の研究者として独得の色球体を考案し、またロマン主義に基づく二巻の理論書を残している。作品の多くはハンブルク美術館に所蔵されている。
[野村太郎]
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…自然界では,哺乳類の尿,マツの葉,タバコの葉の精油中などに存在する。
[製法]
フェノールは1834年,ドイツの化学者ルンゲFriedlieb Ferdinand Runge(1795‐1867)によりコールタールからはじめて得られた。第1次大戦中,爆薬としてのピクリン酸製造の需要を満たすためベンゼンのスルホン化で得たベンゼンスルホン酸のアルカリ融解で合成されるようになった。…
…まず,イギリスの聖霊主義運動に加わったW.ブレークは,霊視ないしは瞑想により得られた寓意図を描いてラファエル前派などの心霊的な画風に先鞭をつけた。同時にドイツ・ロマン派のO.ルンゲやC.G.カールスは大宇宙と個人との直接的交感をテーマとして壮大なビジョンを呈示した。音楽ではとくに《魔笛》においてフリーメーソンの秘儀を表現したといわれるモーツァルト,北欧神話の象徴性に霊感を得たW.R.ワーグナーなどが挙げられよう。…
※「ルンゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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