マクダイアミッド(読み)まくだいあみっど(英語表記)Alan G. MacDiarmid

日本大百科全書(ニッポニカ)「マクダイアミッド」の解説

マクダイアミッド
まくだいあみっど
Alan G. MacDiarmid
(1927―2007)

アメリカの化学者。ニュージーランドのマスタートーンに生まれる。ビクトリア大学化学科の研究室でアルバイトをしながら同大学を卒業。1953年にウィスコンシン大学で、また1955年にはケンブリッジ大学で博士号を取得。1956年ペンシルベニア大学の準教授、1964年に同大学教授に就任する。

 1973年、電気伝導性をもつ新しい素材硫化窒素(SNXの研究を始める。1976年に東京工業大学の白川英樹が研究していた新しい性質をもつポリアセチレン(CH)Xを知り、すぐに白川を研究室に招き入れ、ペンシルベニア大学物理学教授A・ヒーガーも加えた共同研究を開始する。1977年、ポリアセチレンに臭素を添加することで金属のような電気伝導性が生じることを発見した。この電気伝導性プラスチックは、金属に比べて軽く加工性に優れるうえに、原材料コストも安いことから、実用性のある新しい素材であり、プラスチック電池、半導体ポリマーなど幅広い分野での応用に発展した。この業績により、白川、ヒーガーとともに2000年のノーベル化学賞を受賞した。その後は、電気伝導性ポリマーとしてポリアニリンを用いて研究を続けた。

[馬場錬成 2018年11月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「マクダイアミッド」の解説

マクダイアミッド
MacDiarmid, Alan G.

[生]1927.4.14. ニュージーランド,マスタートン
[]2007.2.7. アメリカ合衆国,ペンシルバニア,ドレクセルヒル
ニュージーランド出身のアメリカ合衆国の化学者。ニュージーランド大学を卒業後アメリカに渡り,ウィスコンシン大学,イギリスのケンブリッジ大学で化学博士号を取得。 1955年にペンシルバニア大学に勤務し,のち教授に就任。 1973年以降,金属並みの導電性をもつ窒化硫黄 (SN) xの研究を始めたが,東京工業大学の白川英樹らが金属光沢をもつポリアセチレン薄膜を発見したことから,しだいに有機高分子に関心を移す。 1976年には白川をペンシルバニア大学に招請し,アラン・ヒーガーとともに研究を重ね,1977年電気化学的ドーピングによるヨウ素の添加でポリアセチレンに金属並みの導電性をもたせることに成功した。この導電性高分子の発見と応用により,白川,ヒーガーとともに 2000年のノーベル化学賞を受賞。

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化学辞典 第2版「マクダイアミッド」の解説

マクダイアミッド
マクダイアミッド
MacDiarmid, Alan G.

ニュージーランド生まれのアメリカの無機化学者.ビクトリア・ユニバーシティ・カレッジで化学と数学を学ぶ.フルブライト奨学金を得て,ウィスコンシン大学へ留学し,博士号を取得.ケンブリッジ大学留学後,スコットランドのセント・アンドルーズ大学を経て,ペンシルベニア大学化学科教授となる.修士論文で四硫化四窒素S4N4を取り上げて以来,ポリチアジル (SN)n の研究を行う.電気伝導性高分子としてのポリチアジルに興味を抱いたA.J. Heeger(ヒーガー)とともに共同研究をはじめ,日本滞在中に出会った白川英樹をアメリカへ招へいし,白川が合成したポリアセチレン膜にドーピングをほどこすことで飛躍的に電気伝導性が向上することを見いだした.2000年Heeger,白川とともにノーベル化学賞を受賞した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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