日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンギャン」の意味・わかりやすい解説
マンギャン
まんぎゃん
Henri Charles Manguin
(1874―1942)
フランスの画家。パリ生まれ。1894~98年パリのエコール・デ・ボザールに学び、マチスやマルケらとともにギュスタブ・モローの教室に入った。初めはシニャックやスーラの点描法に影響を受け、強烈な色彩効果を好んで、マチスらのフォービスムの運動に参加した。第一次世界大戦中の1915~18年にスイスに避難して制作を続けたほかは、1907年から南フランスのサン・トロペに住み、ルスタレ荘とよばれる広大な邸宅を入手し、同地に没した。07年にはマルケとともにイタリアに旅行し、その地の明るく澄んだ光に影響を受ける。その華やかで激しい色彩感覚は、フォービスムのなかでもマチスと並ぶものである。
[染谷 滋]