マルケ(その他表記)Marche

デジタル大辞泉 「マルケ」の意味・読み・例文・類語

マルケ(Albert Marquet)

[1875~1947]フランス画家フォービスムから出発し、のち穏やかな水辺風景を多く描いた。

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精選版 日本国語大辞典 「マルケ」の意味・読み・例文・類語

マルケ

  1. ( Albert Marquet アルベール━ ) フランスの画家。フォービスムの代表的画家の一人。川や港など水のある風景を好んで描いた。代表作「海辺の謝肉祭」。(一八七五‐一九四七

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改訂新版 世界大百科事典 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ[州]
Marche

イタリア中部,アドリア海に面する州。面積9694km2,人口152万(2004)。ペーザロ・エ・ウルビノ,アンコナ,マチェラタ,アスコリ・ピチェーノの4県からなる。山がちの地方で,平地は川沿いか海岸沿いに限られている。州都はアンコナ。近年工業(製靴,繊維,衣料,家具,製紙,造船)の発展が著しく労働人口の43%が従事。また,農業,サービス業も盛んである。〈マルケ〉の呼称は10世紀のカロリング朝の〈マルカ〉(〈辺境領〉の意で,アンコナ,フェルモ,カメリーノなど)に由来するが,公式に用いられたのは1815年以降のことである。〈マルケ人〉という言葉はすでにダンテにみられるが,13~16世紀にはほぼ独立した君主が各地に併立し,教皇領の再建をめぐって争いがさらに激化し,1631年にウルビノ公国が教皇領に編入されるまでこうした状態が続いた。したがって都市の歴史はあってもマルケ地方の歴史というのはむしろ1860年のイタリア王国統一後といえる。
執筆者:


マルケ
Albert Marquet
生没年:1875-1947

フランスの画家。ボルドーに生まれ,少年時代,家族とともにパリに移る。装飾美術学校,エコール・デ・ボザール(国立美術学校)でマティスと知り合い,しばしば画室,モデルをともにする。1897年,風景画で最初に原色を用い,フォービスムを導く。1906年ころまでフォービスムの手法に忠実であったが,しだいにその色彩は柔らかさを増し,構図にも構成力があらわれる。07年ドリュエ画廊で最初の個展を開く。裸婦,風景,とりわけ港やパリの都市風景を好んで描き,玉虫色のニュアンスをそなえた色彩とゆるやかな構図によって,自然のもたらす情緒的雰囲気を巧みに表現した。
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百科事典マイペディア 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ

フランスの画家。ボルドー生れ。エコール・デ・ボザール(国立美術学校)在学中に,教授であったモローもとマティスと知り合い,1905年フォービスム運動に参加,終生この様式を貫いて街頭や海浜の風景を描いた。マティスより穏健な作風で,純粋色よりも中間色のニュアンスを巧みに用いた。
→関連項目ルオー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ(イタリア)
まるけ
Marche

イタリア中部の州。面積9694平方キロメートル、人口146万3868(2001国勢調査速報値)。アンコーナ、アスコリ・ピチェーノ、ペザロ・エ・ウルビーノ、マチェラータの4県からなり、州都はアンコーナ。ウンブリア‐マルケ・アペニン山脈の東斜面に広がる丘陵地状の州。依然として農業の比重が高い。ただメッツァドリアmezzadriaとよばれる折半小作制度が伝統的に広くみられたが、第二次世界大戦後の過程でそのほとんどが解体してしまった。工業活動としては、アンコーナの造船業を除けば、ペザロの陶器、ファブリアーノの製紙、カステルフィダルドの楽器、イエージの絹業などのように総じて伝統的なものが多い。アドリア海に面して多くの漁港がある。

[堺 憲一]


マルケ(Albert Marquet)
まるけ
Albert Marquet
(1875―1947)

フランスの画家。ボルドー生まれ。初めパリの装飾美術学校に学ぶが、マチスと知り合って画家を志し、エコール・デ・ボザールのギュスタブ・モローの教室に入る。アンデパンダンやサロン・ドートンヌに出品。1905年、最初のフォービスムの展覧会にマチスとともに出品、初期フォービスムの有力作家となるが、その原色調の色と激しいタッチはマルケの好むところではなく、フォービスムの画風は長続きしなかった。俯瞰(ふかん)構図のパリの街景をはじめ、ハンブルク、ロッテルダム、ナポリなどに旅行し、港や川のある風景を得意とした。作風も、淡泊で微妙な色調のニュアンスのなかに叙情味のあるものになっている。パリに没。

[染谷 滋]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ
Marquet, Albert

[生]1875.3.7. ボルドー
[没]1947.6.14. パリ
フランスの画家。パリのエコール・デ・ボザールで 1897年から G.モローに師事し,そこでマチスを知る。 1905年にマチスらとフォービスム運動を起したが過激を好まず,温和な色調と単純な形態で風景画を描いた。特に海景の作品で知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のマルケの言及

【フォービスム】より

…〈野獣派〉〈野獣主義〉と訳されることもある。1905年サロン・ドートンヌの第7室に展示されたフランドランJ.Flandrin,マルケ,ルオーたちの作品に囲まれるようにしてマルクA.Marqueのイタリア風のトルソーが置かれていたのを,美術批評家ボークセルLouis Vauxcellesが評して〈野獣(フォーブ)の檻のなかのドナテロ〉といったことから,〈フォービスム〉の名称が生まれる。もっとも,〈フォーブ〉の形容そのものはボークセル以前にすでに用いられていたようである。…

※「マルケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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