マルケ(読み)まるけ(英語表記)Albert Marquet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ(イタリア)
まるけ
Marche

イタリア中部の州。面積9694平方キロメートル、人口146万3868(2001国勢調査速報値)。アンコーナ、アスコリ・ピチェーノ、ペザロ・エ・ウルビーノ、マチェラータの4県からなり、州都はアンコーナ。ウンブリア‐マルケ・アペニン山脈の東斜面に広がる丘陵地状の州。依然として農業の比重が高い。ただメッツァドリアmezzadriaとよばれる折半小作制度が伝統的に広くみられたが、第二次世界大戦後の過程でそのほとんどが解体してしまった。工業活動としては、アンコーナの造船業を除けば、ペザロの陶器、ファブリアーノの製紙、カステルフィダルドの楽器、イエージの絹業などのように総じて伝統的なものが多い。アドリア海に面して多くの漁港がある。

[堺 憲一]


マルケ(Albert Marquet)
まるけ
Albert Marquet
(1875―1947)

フランスの画家ボルドー生まれ。初めパリの装飾美術学校に学ぶが、マチスと知り合って画家を志し、エコール・デ・ボザールのギュスタブ・モローの教室に入る。アンデパンダンやサロン・ドートンヌに出品。1905年、最初のフォービスムの展覧会にマチスとともに出品、初期フォービスムの有力作家となるが、その原色調の色と激しいタッチはマルケの好むところではなく、フォービスムの画風は長続きしなかった。俯瞰(ふかん)構図のパリの街景をはじめ、ハンブルクロッテルダムナポリなどに旅行し、港や川のある風景を得意とした。作風も、淡泊で微妙な色調ニュアンスのなかに叙情味のあるものになっている。パリに没。

[染谷 滋]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルケ」の意味・わかりやすい解説

マルケ
Marquet, Albert

[生]1875.3.7. ボルドー
[没]1947.6.14. パリ
フランスの画家。パリのエコール・デ・ボザールで 1897年から G.モローに師事し,そこでマチスを知る。 1905年にマチスらとフォービスム運動を起したが過激を好まず,温和な色調と単純な形態風景画を描いた。特に海景作品で知られる。

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