ミトラ教(読み)ミトラキョウ(その他表記)Mithraism

デジタル大辞泉 「ミトラ教」の意味・読み・例文・類語

ミトラ‐きょう〔‐ケウ〕【ミトラ教】

ミトラス教

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミトラ教」の意味・わかりやすい解説

ミトラ教
ミトラきょう
Mithraism

ペルシアの神ミトラを信奉する密儀宗教キリスト教が広まる以前のローマ帝国で最も盛んとなり,キリスト教に対抗した主要な宗教。1世紀後半おもに軍人によってもたらされ,下層階級の人々を中心に栄えた。ローマ帝国にもたらされたときには,すでに内容的に多くの変化をとげており,事実上は創建された新宗教ともいえる。宇宙起源の問題と終末論において,ローマ民衆をひきつけ,マルクス・アウレリウス帝,ディオクレチアヌス帝により擁護されたが,392年テオドシウス1世が,キリスト教を国教に定めたのち,その勢力は急速に衰えた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミトラ教」の解説

ミトラ教(ミトラきょう)
Mithra

アーリヤ人の光明神ミトラを崇拝する密儀宗教。ペルシア,小アジアをへて帝政期ローマに伝播し,その男性的性格のゆえに軍隊,商人層から支持された。3世紀後半にミトラ神が帝国の最高国家神に吸収されたことも手伝って,古代末期の最も有力な密儀宗教となった。救済思想,儀式などキリスト教との類似性が強く,それと異教との死闘において重要な役割を果たした。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ミトラ教」の解説

ミトラ教
ミトラきょう
Mithra

太陽神ミトラを崇拝する古代アーリア人の密儀宗教
インドのミトラと同源。ミトラはサンスクリット語で「計量者」を意味し,歳月の計量者,すなわち太陽神である。古代ペルシアで信奉されたが,ゾロアスター教に押されて後退。その秘密めいた教義は2世紀ごろローマ帝国に伝わり,軍人を中心に信仰されたが,キリスト教が盛んになるにつれて衰退した。

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