コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ムデーハル mudéjar

1件 の用語解説(ムデーハルの意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

ムデーハル【mudéjar】

アラビア語のムダッジャンがスペイン語に転訛したもので,〈残留者〉すなわち,キリスト教徒に再征服された後のイベリア半島で,自分たちの信仰・法慣習を維持しながらその地に被支配者として残留を許可されたイスラム教徒をいう。1085年のトレド陥落以後のレコンキスタ(国土回復戦争)の進展で,ムデーハルの数はしだいに増加した。時とともに彼らはスペイン社会に同化してロマンス語を話すようになった。彼らがイスラムの優れた文化・学問・技術を,中世スペイン,ひいてはヨーロッパ諸国に伝達した役割は大きい。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

世界大百科事典内のムデーハルの言及

【アンダルス】より

…奴隷はサカーリバsaqāliba(スラブslavからなまったもの)といわれ,おもにヨーロッパ諸国(フランス,ドイツ,ロシア)から戦争捕虜として,また商品としてもたらされ,宮廷における家事奴隷として,また諸君主の親衛隊として活動した。なおレコンキスタの過程でキリスト教の支配を受けたムスリムをムデーハル,1492年以後の半島におけるムスリムをモリスコという。前者はキリスト教社会に融合し,経済・文化の発展に貢献した。…

【ゴシック美術】より

…これも儀礼中心より説教や講話が重要視される教会堂形式として,ハレンキルヘとともに中世後期の特色を発揮している。14~15世紀はイスラム美術の要素と融合した情熱的なムデーハル様式が成立し,スペイン的な色彩を付加し,またセビリャ大聖堂(1403‐1506)のようにモスクの形式にならって多廊多柱式を採用し,最大面積の大聖堂の一つを実現している。世俗建築としては,セゴビアのアルカーサル(14世紀),メディナ・デル・カンポの城(1440),トレド,バレンシアの城門や,トレドのアルカンタラ橋(1258)などが構造美を誇り,グアダラハラの宮殿(15世紀末)が豪華怪異なムデーハル様式の装飾を展開し,地中海沿岸地方には繁栄を物語る都市建築の伝えられるものが多い。…

【スペイン美術】より

…こうした外縁文化の特徴は,他文化圏と接している場合はいっそう増幅されるとともに,異種の文化原理と融合し,思わぬ成果を発揮する可能性もある。今日にいたるスペイン絵画の出発点となった中世のモサラベムデーハルの美術などその典型であろう。しかもスペインの場合,異なった文化原理は,ほとんどの場合に支配勢力の交代によってもたらされた。…

※「ムデーハル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

ムデーハルの関連キーワードアラビア語アラビア文字アラブ人スペイン語スパニッシュ千夜一夜物語アラビア糊アラビストアラビア風奇想曲アラビア風狂想曲

今日のキーワード

カルテット

四重唱および四重奏。重唱,重奏の形態のなかで最も基本的なもので,声楽ではルネサンスの多声歌曲の形式であるシャンソンやフロットラから始り長い歴史をもつ。器楽も同様で,特に弦楽四重奏は室内楽の全レパートリ...

続きを読む

コトバンク for iPhone