メラノサイト

化学辞典 第2版 「メラノサイト」の解説

メラノサイト
メラノサイト
melanocyte

メラニン細胞ともいう.メラニンを産生する色素細胞.皮膚表皮と真皮との間にあり,皮膚や髪の黒色色素メラニンを産生し,過剰の紫外線で皮膚細胞内の遺伝子がきずつくことを守るはたらきをしている(メラニンキャップ).細胞内のメラノソームで,チロシンチロシナーゼにより酸化されて,ドーパ,インドールキノンを経由し,重合によりメラニンを生成する.紫外線により促進される.アルビノ(白子)は活性チロシナーゼ欠如による.人種間でのメラノサイトの分布,数に差は認められないが,黒人では白人に比べて細胞内でメラニンを産生,保有するメラノソーム顆粒が大きく安定であることが知られている.メラノサイトががん化し,悪性化するとメラノーマとなる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のメラノサイトの言及

【皮膚】より

… 表皮の3番目の重要な性質として,メラニンの合成能を有する点があげられる。メラニン産生細胞(メラノサイトmelanocyte)は,表皮の最基底層をなす上皮細胞のうちの5~10%程度を占めるにすぎないが,最基底層内に散在し続けて周囲の角質化の運命をたどる上皮細胞群にメラニンをあたえる。その量の多少により皮膚や毛の色調が黒~黄~白と変化する。…

※「メラノサイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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