メロエ王国(読み)メロエおうこく(その他表記)Meroe

旺文社世界史事典 三訂版 「メロエ王国」の解説

メロエ王国
メロエおうこく
Meroe

前670ごろ〜後350ごろ
ナイル川上流の現在のスーダンメロエを中心に展開した黒人王国
前10世紀ごろから,現在のスーダンのナパタを中心に,エジプトの影響を受けたクシュ王国が栄えていたが,前7世紀に鉄器で武装したアッシリアに攻撃されて首都をメロエに移した。遷都以降のクシュ王国をメロエ王国と呼ぶ。ナイル川とアトバラ川の合流点に近いメロエは鉄鉱石樹木に恵まれ,クシュ人自らも鉄器製作に力を入れた。メロエには小型のピラミッドが多数つくられ,ヒエログリフに似たメロエ文字(未解読)が発明されるなど,エジプトの影響が濃い。同王国は4世紀にエチオピアアクスム王国に滅ぼされた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のメロエ王国の言及

【スーダン】より

…クシュはナイル川第2急湍以南地域の総称)が始まる。前750年ころにエジプトをも占領,1世紀にわたり第25王朝を樹立したクシュ王国は,前6世紀半ば,第4急湍付近のメロエに首都を移し(以後メロエ王国と称す),エジプトの影響を脱して独自のブラック・アフリカ的文化の特性を強めた。この頃,すでに乾燥期に入って完全に砂漠化したサハラから,諸民族の牛の群れを伴った南への移動が始まり,彼らはサハラ南縁の半砂漠地帯からスーダン南部のナイル川流域大湿原にまで自然環境に順応して住みついていった。…

※「メロエ王国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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