メンデル集団(読み)メンデルシュウダン(英語表記)Mendelian population

デジタル大辞泉 「メンデル集団」の意味・読み・例文・類語

メンデル‐しゅうだん〔‐シフダン〕【メンデル集団】

同種生物で、自由に交配を行い、世代を経ても遺伝子頻度一定に保たれる個体群集団遺伝学対象とする。

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改訂新版 世界大百科事典 「メンデル集団」の意味・わかりやすい解説

メンデル集団 (メンデルしゅうだん)
Mendelian population

生物集団中にどのような遺伝子遺伝子型がどういう頻度で存在し,それが世代とともにどう変化しているかを研究しようとする場合,集団を構成する個体間で遺伝子の交流,つまり交配の可能性があるかどうかが重要な問題になる。個体間で交配しているか,またはその可能性がある同種個体の集まり,つまり遺伝子プールを共有しており,他の集団とは区別しうる有性繁殖集団をメンデル集団という。集団遺伝学が対象とする基本的な集団であり,他から隔離された動物集団,たとえば日本列島に住むヒトの集団は典型的なメンデル集団と考えられる。しかし自然集団の場合には,花粉種子の移動や移住があるので,どの範囲までをメンデル集団とみるかはかなり困難な問題であり,ある程度まとまった繁殖集団であれば便宜的にメンデル集団として取り扱っている。また植物で部分的に自家受精栄養生殖をしていて個体間の遺伝子交流がかなり限られている集団でもメンデル集団と考えてよい。いちばん大きなメンデル集団は種である。
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世界大百科事典(旧版)内のメンデル集団の言及

【個体群】より

… 実験室において研究のために飼育増殖される生物種の一群もやはり個体群と呼ばれるが,自然の個体群と明確に区別するため,実験個体群と呼ばれることが多い。遺伝学では集団という語を用いる場合が多く,特に同じ遺伝子給源をもつ複数の集団をメンデル集団またはガモデームgamodemeと呼んでいる。概念的には,それぞれの生物種の地理的分布の広がりにつれて連続または不連続的な生理・生態的特性を示すいくつかの地域個体群や,すでに亜種とされるほどの種分化の進んでいる亜種個体群などを認めることができるし,さらにはそれらを包含した種個体群というものを想定することもできる。…

※「メンデル集団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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