ヨーロッパ大学院大学(読み)ヨーロッパだいがくいんだいがく

大学事典 「ヨーロッパ大学院大学」の解説

ヨーロッパ大学院大学[イタリア]
ヨーロッパだいがくいんだいがく

1972年にEC創設国6ヵ国が国際的な高等教育研究機関の設置に合意し,76年からイタリアのフィレンツェ郊外フィエゾレに開学された高度な教育研究機関。現在は20ヵ国が条約加盟国となり,EUが財政援助をおこなっている。運営は学長と事務局長のほか,加盟国の代表からなる最高評議会や内部の学術評議会などによる。修士と研究博士の課程を持ち,経済学,歴史学・文明法学,政治学・社会学の四つの研究科に分かれる。毎年公的な入学試験によって入学者を決定し,英語を主要言語としている。約160もの奨学金がEU出身の志願者に付与され,授与される研究博士学位は国際的に評価が高い。EUの前身欧州石炭鉄鋼共同体の創設に貢献したフランスの外相シューマン高等研究所の名を冠した高等研究所と,EUの歴史文書館が付設されている。これらの施設ではEU社会の歴史や,民主主義移民の状況などの諸問題についての研究が進められている。
著者: 児玉善仁

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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