六訂版 家庭医学大全科 の解説
ランゲルハンス細胞組織球症
ランゲルハンスさいぼうそしききゅうしょう
Langerhans cell histiocytosis
(子どもの病気)
どんな病気か
皮膚から侵入してきた抗原は表皮にあるランゲルハンス細胞に取り込まれ、リンパ節へと達してTリンパ球に抗原を提示します。このようなはたらきをする
原因は何か
従来は何らかの免疫異常によるランゲルハンス細胞の二次性増殖と考えられてきましたが、最近は腫瘍性の疾患であることを示唆する報告がされています。しかし、現在でも原因不明の疾患です。
症状の現れ方
0~3歳くらいの乳幼児に好発します。骨の病変が約80%に認められ、骨痛と周囲の
検査と診断
生検(組織をとって調べる)が診断を確定するために必須です。免疫染色でのS100蛋白とCD1aが陽性であること、電子顕微鏡でバーベック
治療の方法
一般的に、単独病変に対しては注意深く経過観察をするか局所療法が行われます。多発性の病変に対しては副腎皮質ステロイド薬、ビンクリスチン、メトトレキサートなどを併用した化学療法が行われます。
増悪と改善を繰り返し慢性に経過しながらも治る場合が多いのですが、2歳以下の発症で多発性、かつ骨髄・肺・肝・脾に浸潤が認められる、初期治療に反応が悪い例では予後不良と考えられ、より強力な治療が必要になります。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報