ランジュバン‐ワロン教育改革案(読み)らんじゅばんわろんきょういくかいかくあん(英語表記)Le plan Langevin-Wallon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ランジュバン‐ワロン教育改革案
らんじゅばんわろんきょういくかいかくあん
Le plan Langevin-Wallon

フランスで、1947年に答申された教育改革案。第二次世界大戦後のフランスにおいて、「教育の完全な改革」を行うために、1944年、著名な物理学者ポール・ランジュバン(彼の死後は心理学者アンリ・ワロンが引き継いだ)を委員長とする委員会が文部省に設置された。その委員会が1947年6月、本教育改革案を答申した。名称は、二人の委員長ランジュバンとワロンの名に由来する。

 この改革案は、「正義原則」をはじめとする六つの改革原則を示し、具体的には、18歳までの義務無償教育の実施、適性・能力に応じた教育を行うための観察・指導課程の設置など、画期的な提案を行っている。全面的実施には至らなかったが、その改革案がもっている民主的な性格のゆえに、その後のフランスや諸外国の教育改革に大きな影響を及ぼしてきた。

[田崎徳友]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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