リンドス(その他表記)Lindos

デジタル大辞泉 「リンドス」の意味・読み・例文・類語

リンドス(Lindos/Λίνδος)

ギリシャ東部エーゲ海にあるロードス島の東部にある村。白い家々が並ぶ丘の上に、ドリス人によって築かれたアクロポリスがあり、同島における古代三大ポリス一つとして知られる。紀元前4世紀頃のアテナ神殿が残っている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「リンドス」の意味・わかりやすい解説

リンドス
Lindos

ギリシア領ロードス島(古代名ロドス)の古代都市で,ロドス市集住以前の同島3都市の一つ(他はイアリュソス,カメイロス)。島の東岸中央に位置し,そのアクロポリスは海面から垂直に116mそそり立つ絶壁上にあって南北に良港をもつ。風光明美な景観と使徒パウロがこの港に立ち寄ったとの伝承(証拠を欠く)とがあいまって同島随一の観光名所となっている。古代都市としてのリンドスは前7世紀にシチリア島南岸に植民市ゲラを建設し,前6世紀には古代の七賢人の一人に数えられるクレオブロスKleoboulosの僭主政をみた。前5世紀にはデロス同盟に加盟し高額の年賦金を支払っていた。前5世紀末の集住後もリンドスは古来のアテナ信仰の聖所として重要性を保った。アクロポリス南端に現存するアテナ・リンディアAthēna Lindiaの小神殿は前4世紀の再建になるもので,大階段をもつプロピュライアは前5世紀末以降の建築になる。アクロポリス西方の岩山にはヘレニズム時代の岩室墓が点在する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンドス」の意味・わかりやすい解説

リンドス
Lindos

ロードス島 (ロドス島 ) 東岸の古代都市。イアリソス,カメイロスとともにドーリス人都市国家として形成。ゲラ,レギウムファセリスなど各地に植民した。アテナ・リンディア女神の神殿は名高く,地中海周辺各地からの奉献物が出土している。また前 99年に書かれた神殿の年代記も出土している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のリンドスの言及

【ロードス[島]】より

…イアリュソスIalysos近辺ではクレタ文明に続いてミュケナイ文明の拠点が確認されている。歴史時代に入って前10世紀ころドリス方言のギリシア人が定住,リンドス,イアリュソス,カメイロスKameirosの3市に分かれてそれぞれの国家を形成した。前5世紀には3市ともデロス同盟に加盟して年賦金を納めたが,前411年アテナイから離反した。…

※「リンドス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android