旅行や登山、スキーなどで用いられる、荷物を入れる背負い袋。普通、リュックサックあるいは単にザックともいう。昔は帆布などの防水性の厚手の布地が用いられたが、現在はビニロンまたはナイロン製のものが多い。日本でも古くから、振り分け、しょいこなど荷物の背負い方はいろいろあり、世界にも籠(かご)状のもの、鞄(かばん)状のものなどがあり、肩で背負うのではなく頭で保持するものもある。現在の形は中部ヨーロッパで発達し、日本には明治初年にアーネスト・サトーらの外人によってもたらされ、1907年(明治40)ごろから国内でもつくられるようになった。1929年(昭和4)にはスイスのキスリング型ザックが松方三郎によりもたらされ、登山で多く用いられた。
ルックザックは簡単なデイパック、ナップザックから、現在多く用いられているアタックザック、さらにフレームザックなど、用途により背負い皮の位置、形状、大きさ、ポケットの位置などで種類が多く、さらに金属フレーム入りなどもあるから、各人の体型・体力、また用途によって選択する。荷物はあまり多いと歩行に危険が生じる。背負う場合は、荷物の重心がほぼ肩の位置付近にくるようにパッキングし、荷が背中から離れないような形で背負うのがもっとも疲労が少ない。パッキングは背中に当たるところに柔らかいものを当て、内容物はビニルの小袋などでぬれないよう処理し、地図、懐中電灯、水筒、雨具、非常食など、すぐ必要とするものはポケットなどの出しやすいところに入れておく。
[徳久球雄]
…登山やハイキングなどのとき,荷物を入れて背負う布製の袋。ルックザックともいい,リュック,ザックと略称される。日本では古くから荷物を運ぶのに振分け,背負子(しよいこ),背負籠(せおいかご)などの形があり,中国やネパールなどアジア各地でも背負籠が多いが,19世紀ころ登山が盛んになったヨーロッパでは,布製の袋に背負皮をつけたルックザックが利用されるようになった。…
※「ルックザック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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