細菌類スピロヘータ科の一属。体長6~20μm,幅0.1μmの細長い体に,細かく密ならせんをもつ。活発な運動性を示すが,鞭毛はもたない。特殊な培地によって人工培養が可能である。レプトスピラ属は,病原性を示すレプトスピラ・インターロガンスL.interrogansと,非病原性のレプトスピラ・ビフレクサL.biflexaの2種に分けられるが,それぞれさらに多数の血清型に細別される。病原性レプトスピラは,世界中に広く分布しており,人獣共通伝染病であるレプトスピラ症をひき起こす。代表的な疾患として,発熱,黄疸,出血などの症状を伴う致命率の高いワイル病(黄疸出血性レプトスピラ病)が知られている。このほかに病原性レプトスピラは各地で風土病的疾患をひき起こしているが,これらは一般に症状が軽い。レプトスピラは乾燥に対する抵抗性が弱く,感染は湿潤な環境中で皮膚を通じて起こる。
→スピロヘータ
執筆者:川口 啓明
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…ふつう6属に分類されるが,人間に対して病原性をもつスピロヘータは次の3属に含まれる。トレポネマTreponema(梅毒および梅毒様疾患),ボレリアBorrelia(回帰熱),レプトスピラLeptospira(レプトスピラ症)。レプトスピラを除いては,一般に培養は困難である。…
…一般に,小型種ほど単位体重当りの必要熱量は多い。
[病気]
イヌの病気は種々あるが,飼主が注意しなければならないのは,ジステンパー,伝染性肝炎,パルボウイルス腸炎,レプトスピラ病,消化器寄生虫病,フィラリア症,皮膚病などがおもなものである。ジステンパー,伝染性肝炎,パルボウイルス腸炎の病原はウイルスで,ワクチンの接種で予防できる。…
…これらの人獣共通伝染病は,その病原巣の動物が生息する地方に発生が限られるときには,風土病的疾病として現れてくる。このようなものには,中国の奥地やインドに持続的にみられたペスト,地中海沿岸地方のマルタ熱(ブルセラ症),および世界中にみられ,日本でも各地で作州熱,天竜熱,七日熱,秋疫など特別な名称で呼ばれたレプトスピラ症などがある。 伝染性の風土病には,病原微生物が節足動物によって媒介される疾病で,媒介する節足動物の生息する地域が限られているために風土病として現れてくるものもある。…
…レプトスピラによる感染症。1886年ドイツのワイルAdolf Weil(1848‐1916)が初めて本病の4例を記載したため,〈ワイル病〉と呼ばれているが,学術的には,本病の病原体発見者稲田竜吉(いなだりようきち),井戸泰(いどゆたか)の命名に従って,〈黄疸出血性レプトスピラ病〉と呼ぶのが正しい。…
※「レプトスピラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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