携帯電話など簡易移動情報端末向けに地上デジタル放送が行っている放送サービスの名称。配信サービスは2006年(平成18)より29都道府県で開始され、同年末にはすべての都道府県県庁所在地で、11年までには全国で視聴できるようになる。ワンセグの名は、地上デジタル放送で13分割された帯域の携帯向けの1セグメント(領域)を使用することに由来する。
日本の地上デジタル放送は、6メガヘルツの帯域を13に分け、1セグメントの簡易動画用と、残り12セグメントの固定受信機向けの高画質用にあてている。ここで、ハイビジョンでは残りの12セグメントすべてを利用し、通常映像の放送には各4セグメントを利用した3チャネルに割り当てられる。ワンセグ放送の帯域は通常放送の4分の1と狭いために、画素数は320×240または320×180と少なく、伝送速度は毎秒約312キロビットである。このため、携帯電話、携帯用パソコン、カーナビゲーション、ゲーム機、専用ポータブルテレビ、携帯情報端末(PDA)など画面の小さい機器での利用となる。また、デジタル放送であるため従来のアナログテレビを携帯電話で見るときのような画面の乱れはなく、画面下の半分を文字データにあてることもできる。
日本での地上デジタル放送は、2003年にまず音声向けのものが関東、近畿で、次いで映像を含めた本放送が東京、大阪、名古屋を中心に開始された。日本の方式は帯域幅約430キロヘルツのセグメント13個で構成されているが、各セグメントは帯域幅、変調方式、伝送速度などの伝送パラメータを変えることができる独自のものである。この1セグメントを利用する携帯電話向け放送は、05年9月に地上デジタル放送推進協会によってワンセグ放送と名づけられ、翌年に地上デジタル放送推進協会と民放7社によりサービスが開始された。
世界の地上デジタル放送の規格には日本の「ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)」のほかに、アメリカは「ATSC(Advanced Television Systems)」、ヨーロッパは「DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)」、中国は別に開発中の方式、と各独自の方式を用いている。このため、日本式によるワンセグ放送用の携帯情報端末では海外での受信は不可能となる。
[岩田倫典]
『デジタル放送研究会編『図解 デジタル放送の技術とサービス』(2006・技術評論社)』
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