ヴォルビリスの古代遺跡(読み)ヴォルビリスのこだいいせき

世界遺産詳解 「ヴォルビリスの古代遺跡」の解説

ヴォルビリスのこだいいせき【ヴォルビリスの古代遺跡】

1997年に登録、2008年に登録内容が変更された世界遺産(文化遺産)で、モロッコ中部、メクネス州の州都メクネスの北方にある古代ローマ遺跡。紀元前40年頃から都市の建設が始まったが、この地域は肥沃で、ローマへ出荷する小麦やオリーブオイルなど農産物の重要な生産地となり、都市は繁栄した。最盛期には、人口2万人を抱えるまでに発展した。発掘された邸宅、美しいモザイク・タイル、油の製造所、公共浴場等が当時の繁栄を物語る。紀元後3世紀末になると、ベルベル人圧迫により町は次第に衰退し、8世紀末にはイスラムの支配下となった。その後、1755年のリスボンの大地震で町のすべてが瓦礫に埋もれた。1887年に発掘が始まり、古代ローマ都市遺跡群が出土した。北アフリカにおける古代ローマ都市の建築、技術、生活等を知る重要な文化遺産であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はArchaeological Site of Volubilis

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android