七井村(読み)なないむら

日本歴史地名大系 「七井村」の解説

七井村
なないむら

[現在地名]益子町七井

大沢おおさわ村の北西にあり、西部を南流する小貝こかい川に東部を西流してきた小宅おやけ川が合流し、両川沿いに比較的広い水田が続く。北部は両川に挟まれた台地、南部で宇都宮と笠間かさま(現茨城県笠間市)真岡もおか茂木もてぎを結ぶ道が交差する。小宅川右岸の低台地上には中世に築かれた矢島やじま城跡、その対岸に七井城跡がある。天文年間(一五三二―五五)と推定される八月二六日付の宇都宮尚綱書状(小宅文書)に「七井口」とあり、宇都宮氏と那須氏の合戦が当地で行われた。弘治二年(一五五六)二月一五日結城政勝から称名しようみよう(現茨城県結城市)に対し一向宗門徒の出仕などを命じた書下状(称名寺文書)に「名々井 常阿弥」の名がみえる。また益子系図(益子吉蔵蔵)には、戦国時代の益子安宗の弟勝忠が当村に住し、七井喜五郎を名乗ったとみえる。

慶長九年(一六〇四)伊奈忠次から村内観音院へ七石、正法しようぼう寺へ五石が寄付されている(「寺領証文写」栃木県庁採集文書)。元和四年(一六一八)七井二〇七石余が陸奥国内の替地として大田原藩領となり、ほかに重臣大田原主水分・大谷源左衛門分各八九石余があった(「大田原藩領知覚書」伊藤安雄文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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