丈比べ(読み)タケクラベ

デジタル大辞泉 「丈比べ」の意味・読み・例文・類語

たけ‐くらべ【丈比べ/丈競べ】

[名](スル)
高さを比べ合うこと。特に、背の高さを比べること。
連歌で、17字の長句に長句を、14字の短句に短句を付ける誤りを犯すこと。
[補説]書名別項。→たけくらべ

たけくらべ[書名]

樋口一葉小説。明治28~29年(1895~1896)発表。吉原遊郭に近い下谷大音寺付近を舞台に、美登利信如との幼い恋を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「丈比べ」の意味・読み・例文・類語

たけ‐くらべ【丈比・丈競】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 高さを比較すること。高さを競うこと。
    2. 背丈長短を比較すること。背の高さをくらべること。また、能力の優劣を競うことにもいう。せいくらべ。
      1. [初出の実例]「ひきう人長くらへは、ひきくをかちとするが如し」(出典:米沢本沙石集(1283)一)
      2. 「かやうに申し候へば、ねずみとたけくらべのやうに候へども」(出典:御伽草子・猫の草紙(江戸初))
    3. 連歌、連句で、長句の次に長句を、また短句の次に短句を、誤って付けてしまうこと。
      1. [初出の実例]「付句の指合たけくらべなどする事頗(すこぶる)恥辱にも似たる物か」(出典:初心求詠集(1429頃))
    4. 謡曲で、同じ節が続くこと。
      1. [初出の実例]「謡(うたひ)にもたけくらべとて、おなじ節のかさなるをきらひ」(出典:舞正語磨(1658)上)
    5. (たか)の翼の先端の部分。
  2. [ 2 ] ( たけくらべ ) 小説。樋口一葉作。明治二八~二九年(一八九五‐九六)発表。東京新吉原界隈(かいわい)下町を舞台に、伎楼大黒屋の養女美登利と龍華寺の信如の淡い思慕を中心に、遊郭付近の少年少女の生態を雅俗折衷文体で抒情的に描く。

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