三尾川村(読み)みおのがわむら

日本歴史地名大系 「三尾川村」の解説

三尾川村
みおのがわむら

[現在地名]美里町三尾川

貴志きし川の南、大角おおすみ村の東南に位置し、南は有田郡との郡境の長峰ながみね山脈に及ぶ。「続風土記」は「此村民舎所々に布置す、小西浦・椎ノ木谷なといふ小名あり、三尾川といふは此村の中大川の流の所に山の尾の三ツ集りたる所あり、此所土地も開け村の中央にて人家も多し、因りて村の名とせるなり」と記す。北側を流れる貴志川本流が、南へ張出す丘陵をほとんど一回りするように蛇行し、川の北岸を通る高野街道はこの個所で半島状丘陵の付根部分の手拝峠を越えて、再び川岸に出る。村域は川の南のほか、この丘陵部をも含む。

高野山領神野こうの庄に含まれ、近世も高野山領。「続風土記」は村高二三二石余、家数五一、人数一九九、小祠一〇社(若宮大神宮・大将軍森など)を記す。


三尾川村
みとがわむら

[現在地名]古座川町三尾川

蔵土くろづ村の西方、古座川西南の枝谷にある。西方から東南に向かって三尾川が流れ、大塔おおとう山から南下する古座川と合流する。「続風土記」は、小玉こだま山・みや山・なか山の三つの尾筋が合うところに位置するため三尾川の名があると記す。古座川流域にある村々のなかでは大きく、慶長検地高目録によると村高三二五石余、小物成六・七三石。三尾川組に属し、「続風土記」には家数八六、人数四〇五とある。近世には古座川の河口から村中まで船の往来があり、「南紀徳川史」は「古座川より上り船此所まて道程四里」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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