愚痴(読み)ぐち

日本大百科全書(ニッポニカ)「愚痴」の解説

愚痴
ぐち

愚癡とも書く。愚かなこと。原語は一般にサンスクリット語のモーハmohaがあてられ、莫迦(ばか)(のちに馬鹿)の語源とされている。仏教用語では、真理に暗く、無知なこと。道理に暗くて適確な判断を下せず、迷い悩む心の働きをいう。根本煩悩である貪欲(とんよく)(むさぼり)と瞋恚(しんに)(怒り)に愚痴を加えた三つを三毒(さんどく)といって、人々の心を悩ます根源と考えた。また、心愚かにも、言ってもしかたのないことを言い立てることを、俗に「愚痴をこぼす」などと用いるようになった。

[石上善應]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「愚痴」の解説

愚痴
ぐち
moha

仏教用語。愚かなこと。無知によって惑わされ,すべての事象に関してその真理をみない心の状態をいう。

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デジタル大辞泉「愚痴」の解説

ぐ‐ち【愚痴/愚×癡】

[名]言ってもしかたのないことを言って嘆くこと。「くどくど―を並べる」
[名・形動]《〈梵〉mohaの訳。痴・無明とも訳す》仏語。三毒の一。心性が愚かで、一切の道理にくらいこと。心の迷い。また、そのさま。
「―な人々の異常に放縦(ほうしょう)な迷信的な崇敬を」〈中勘助・犬〉

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精選版 日本国語大辞典「愚痴」の解説

ぐち・る【愚痴】

〘自ラ五(四)〙 (名詞「ぐち(愚痴)」の動詞化) ぐちを言う。不平や小言(こごと)をもらす。
※其面影(1906)〈二葉亭四迷〉二七「何しても両雄舌を揃へて愚痴るンだから堪らねえ」
[補注]一説に「ぐずる」の転訛であるという。

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